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新オズのブリキの樵

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第五幕その七

「ダークエルフの人達は銀色だけれどね」
「そこは違うわね」
「けれどね」
 それでもというのです。
「何も変わらないわよ」
「同じエルフね」
「そう、結婚したら子供も出来るし」
「エルフとダークエルフで」
「生物学的にはね」
「全く同じね」
「そうなの、文化も違うけれど」
 そうであってもというのです。
「何もね」
「変わらないのね」
「そうなのよ」
「何かね」
 こう聞いてです、モジャボロは言いました。
「人間と同じだね」
「白人と黒人ね」
「オズの国は黒人、アフリカ系の人達もいるね」
「全人口の一割程がね」
 それ位の人達がというのです。
「アフリカ系の人達よ」
「そうだね」
「そう、人種は違ってもね」
「同じ人間でね」
「何も変わらないわね」
「お肌の色が違うだけでね」
 ただそれだけでというのです。
「それでね」
「エルフとダークエルフもだね」
「全くね」 
 それこそというのです。
「変わらないわよ」
「というかね」
 こうもです、教授は言いました。
「人間もエルフもね」
「お肌や髪の毛の色ではね」
「変わらないよ」
「何もね」
「若し違うというのなら」
 お肌や髪の毛の色でというのです。
「そう言う人は間違っているよ」
「その通りね」
「先程ドロシーは生物学的にと言ったけれど」
 それでもというのです。
「その通りだよ」
「エルフもダークエルフも変わらないわね」
「人間もだよ。白人、黒人、黄色人種といるけれど」
「大きく分けてね」
「全くだよ」
「変わらないわね」
「そうだよ、どの人種が凄いとかはね」 
 そうしたことはというのだ。
「全くだよ」
「ないわね」
「生物学ではっきりしていることだよ」 
 教授は断言しました。
「私もそのことはね」
「学問で知っているわね」
「そうなのだよ、大体私は虫だよ」
 この生きもだというのです。
「そんなことを言うとね」
「人間やエルフでないわね」
「そうだよ」
「あたしなんてぬいぐるみだしね」 
 つぎはぎ娘は笑って言いました。
「この通りね」
「もう、よね」
「お肌や髪の毛の色なんてね」 
「何でもないわね」
「何が問題よ」
 それこそというのです。 
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