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夢幻水滸伝

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第三百八十七話 南米への帰路その七

「ほんまに」
「そやからあの人が棟梁ならな」
「有り難いな」
「私達の棟梁になってくれて」
 それでというのだ。
「ほんまな」
「幸いやな」
「実際南米はあの人の下で発展に向かってるそうやし」
「そこに僕等が入る」
「そして南米の発展に参加する」
「有り難いな」
「こっちの世界の南米は中南米も含めて十九世紀中頃の技術力やね」
 マリアはこう話した。
「起きた世界で言うと」
「そこから発展させんとな」
「そや、もっとな」
「しっかりとした政を行って」
「それでや」 
 そのうえでというのだ。
「ほんまな」
「アメリカにも負けん位の技術力備えんとな」
「あかんな」
「そうしたことを話す為にも」
 エチェニケは言った。
「南米に帰ったら」
「アレンカールさんとお話しような」
「そうしよな」
 こうした話をしつつだった。
 一行は南米に戻る為に艦を進めていた、そうしてチリに着くとセプルベダが自ら港に来て迎えてきた。
 そうしてだ、彼に言った。
「大変やったやろ」
「ああ、否定出来んわ」 
 セスペデスは苦笑いで答えた。
「ここまでな」
「南極は遠いしな」
「環境も過酷やったわ」
「そやな、行きでも我が国の港使えたらよかったけどな」
「あの時海が荒れてたからな」
 チリの海がというのだ。
「それでな」
「泊れんかったな」
「そやったからな」
「最近までな」
「それでニュージーランド経由で行き来したけど」
 それでもというのだ。
「ほんまな」
「大変やったな」
「そやけどな」 
 それでもというのだ。
「今はチリの港も使えてな」
「よかったな、こっちも難義したわ」
 セプルベダはセスペデスに述べた、賑やかな港の中で話していて左右には多くの船乗りや商人が行き交っている。
「海が荒れてるとな」
「船の行き来が出来んでな」
「それでな」
「何かと不都合が出たな」
「ああ、もっとええ船やとな」
「鉄のやな」
「行き来出来てな」
「港も使えたな」
「そやったけどな」
 それがというのだ。
「残念なことにな」
「それが出来んかったな」
「ずっとな」 
 こう話すのだった。
「そやったわ」
「そんな状況やったな」
「ああ、そやけど今はこうしてな」
「港を使えるな」
「そや、それで停泊してな」
「休んだらええな」
「そや、ゆっくりしてくんや」
 こうセスベデスに告げた。 
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