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金木犀の許嫁

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第六十話 伊賀へその四

「伊賀には」
「今はそうよね」
「お刺身も雄氏も食べられるわ」
「両方ね」
「私達皆海の幸好きだけれど」
「そちらもあるし」
「結構ね」
「食べものの楽しめそうね」
「牛肉をです」 
 白華は笑顔で言った。
「味噌漬けにしまして」
「焼いて食べたいのね」
「私も好きなので」
 真昼ににこりと笑って答えた。
「楽しみです」
「そうよね」
「ステーキやすき焼きもいいですが」
「味噌漬けもいいわよね」
「お味噌の味が」
 まさにこれがというのだ。
「兎に角です」
「いいわよね」
「そうですよね」
「お魚もそうだしね」
「お味噌に漬けたら美味しいですね」
「お味噌の味が滲み込んでね」
 そうなってというのだ。
「それでよ」
「そうですよね」
「じゃあ伊賀に行ったら」
「機会がありましたら」
「味噌漬けも食べましょう」
「そうしましょう」
「いいですね、では電車で」
 幸雄はあらためて言った。
「伊賀に行きましょう」
「そうしましょう」
 白華が応えた、一行は八条鉄道神戸駅から特急で伊賀まで行った、乗り換えることなく神戸から大阪、奈良から伊賀に至ったが。
 伊賀上野駅に着いてだ、夜空は言った。
「案外早かったわね」
「そうね」
 真昼は車窓から駅を観つつ応えた。
「思ったよりね」
「奈良から伊賀までね」
「一直線だったわね」
「あれね」
 夜空は考える顔で話した。
「奈良から伊賀までも線路があるから」
「近鉄だと大阪線からね」
「伊賀上野線になるけれど」
「乗り換えてね」
「けれど八条鉄道だとね」
「JRと同じで」
「奈良から行けるから」
 線路が敷かれていてというのだ。
「楽に行けるのよね」
「いいことよね」
「線路を敷くにも」
 夜空はさらに言った。
「お金がかかるし」
「維持費もね」
「何かと難しいこともあるけれど」
「それで行き来出来たら」
「楽よね」
「そうよね。八条鉄道はね」
 真昼はこの鉄道会社の話をここでした。
「第二の国鉄って言われる位ね」
「日本全国に路線敷いたのよね」
「それで黒字だったし」
「凄いわね」
 国鉄は最後の方は赤字で苦しんでいた、その為に新自由主義に基づき民営化が為されJRとなったのである。
「考えてみたら」
「色々な列車もあるしね」
「それでよね」
 夜空は姉に話した。 
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