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金木犀の許嫁

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第六十話 伊賀へその三

「私もよ」
「好きだね」
「そうなの」
 こう言うのだった。
「実はね」
「そうだよね」
「お味噌汁でも」 
 こちらでもというのだ。
「いいし」
「他のお料理でも」
「何でもね」
 それこそというのだ。
「いいから」
「よく使って」
「よく食べてるわ」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「夜空さんそうだよね」
「ええ」
 まさにというのだ。
「しかも身体にもいい」
「そのこともいいよね」
「お味噌って本当にいいのよ」
 夜空は微笑んで味噌の話を続けた。
「味噌漬けで味付けに保存が出来て」
「身体にもよくて」
「とてもいい食べものだから」
「夜空さんは好きで」
「よくお料理にも使うの」
「そうだね。お酒のおつまみにもなるし」
 佐京は微笑んでこうも言った。
「お味噌だけで」
「日本酒と合うのよね」
「お塩やお味噌だけでもね」
「おつまみになるのよね」
「徒然草でもあったし」
 執権家の夜の宴の場面である、味噌の残りに蕎麦がきを出してこの二つを酒のつまみにして飲んだのだ。
「上杉謙信さんも」
「あの人はお酒大好きで」
「毎晩飲んでいたけれど」
 陣中でも欠かさなかった程である。
「おつまみはね」
「お塩とか梅干しで」
「お味噌でね」
「飲んでおられたわね」
「だからお味噌はね」
 佐京はさらに言った。
「それだけでね」
「おつまみにもなるわね」
「だからいいよね」
「尚更ね」
「それでそのお味噌に漬けた」
「伊賀牛がね」
「美味しいね」
 こう夜空に話した。
「あちらでは」
「定番はステーキかすき焼きだけれど」
「昔ながらの味噌漬けもあるね」
「網焼きにしたね」
「忍者っていうとね」
 真昼が二人に言ってきた。
「お食事はあまりね」
「美味しいとはね」
「そうした印象はないですね」
「そうだけれどね」
「それでもね」
「伊賀はそうしたものがありますね」
「ええ、それでね」
 真昼はさらに話した。
「今は冷凍技術が発達していて同じ三重県で」
「ええ、海の幸もあるわね」 
 夜空はこちらもと応えた。 
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