夢幻水滸伝
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第三百八十六話 南極調査その十二
「これからは」
「そやな」
ピエトリも確かにと頷いた。
「今は」
「ああ、将来はな」
「南極は人が住める場所やないが」
それでもというのだ。
「出来ればな」
「将来はな」
「調査隊を送って」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「調査してもらうな」
「そして報告してもらう」
そうもしてもらうというのだ。
「異変があったらな、それにな」
「南極のことも知らんとね」
マリアはこう言った。
「もっと」
「そや、南極もこの世界の一部やからな」
「人が住める場所やなくても」
「それでもな」
エチェニケはマリアに真剣な顔で話した。
「この世界の一部なら」
「調査してくな」
「そうせんとな」
「あかんね」
「絶対にな、少なくとも南米が統一されて」
「それなりの力のある勢力になって」
「技術を発展させてな」
そのうえでというのだ。
「基地を設けられる様になって」
「そこに調査隊を常に置ける」
「そこまで出来る様になってからや」
「調査隊を常駐させるのはな」
セスペデスも言ってきた。
「それからやな」
「そや、ただな」
エチェニケはセスペデスに話した。
「常は難しい、定期的にな」
「送ることになるか」
「その際間違ってもな」
セスペデスにこの話をした。
「あったやろ、日本の調査隊の話で」
「?どんな話や」
「南極物語や」
起きた世界のこの映画の話をした、名優として名を残す高倉健が主演を務めた昭和日本映画の名作の一つである。
「犬達置いていってな」
「ああ、二匹しか生き残らんかったな」
「あれは仕方なかったかも知れんが」
犬達を南極に残すしかというのだ。
「ああしたことはな」
「したらあかんな」
「二匹生き残っただけでも奇跡やった」
「ほんまそうやな」
「命は大事や」
絶対にというのだ。
「そやからな」
「ああしたことはやな」
「やったらあかん」
絶対にというのだ。
「ほんまな」
「命は大事にしていく」
「どんな命でもな」
「自分の言う通りやな、今回もな」
セスペデスは自分達と一緒に甲板に出ている犬達を見て話した。彼等も警戒役として甲板に何匹か出しているのだ。
「何かと助かったしな」
「橇曳いて周りを警戒してくれてな」
「獣やモンスターとの戦でもな」
「一緒に戦ってくれて」
「有り難かったわ、仲間や」
犬達もというのだ。
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