金木犀の許嫁
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第五十九話 母方の祖母その十二
「宜しければ」
「運転してくれますか」
「そして五人で」
「私達の実家に帰った時みたいに」
「帰りましょう」
「あの、運転するなら疲れますし」
真昼が言ってきた。
「ですから」
「今回は電車で、ですか」
「行きませんか」
こう言うのだった。
「どうでしょうか」
「私が疲れるから」
「はい、ですから」
「私は構いませんが」
「いえ、大変ですから」
幸雄を気遣って言うのだった。
「八条鉄道を使って」
「そしてですね」
「どうでしょうか」
「それではそのことはこれからです」
幸雄は真昼の言葉を受けて述べた。
「お話しまして」
「そうしてですね」
「伊賀には皆で行きますね」
「そうなります」
「そのことは決まっていますね」
「そうですよね」
真昼は幸雄に確認を取った。
「そうですね」
「お話をしていて」
「では皆さんで」
「伊賀に行きましょう」
「そうしましょう」
是非にというのだった。
「ここは」
「それでは」
こう話してだった。
白華のお見合いの時に五人、家族全員で行くことにした。この話が終わってから夜空は自分の部屋に入ってだった。
予習復習を行ったがそれが一段落ついて寝ようとしたところで白華が部屋に入ってきて言ってきた。二人共パジャマ姿である。
「あの、実はです」
「どうしたの?」
「私凄く嬉しいです」
夜空ににこりと笑って話した。
「お見合いすることになりまして」
「お見合いが成功したら」
「大学を卒業しましたら」
それからはというのだ。
「お嫁さんに入ることになりますので」
「お見合いはまず上手くいくし」
「私達の場合は」
「お家とお家のね」
「お付き合いなので」
個人同士ではなくというのだ。
「やっぱりね」
「成功しやすいですね」
「それが士族の結婚ね」
「武士の」
「そうよね、武士だとね」
それならというのだ。
「やっぱりね」
「まず上手くいきます」
「お互い礼儀正しくしていたら」
「決まりです」
「私達もそうだったしね」
「真昼さんもですね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
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