星河の覇皇
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第八十八部第三章 最後の防衛ラインその二十九
「華々しい国家の結末を迎えるか」
「それまで、ですか」
「もう防衛ラインを敷くに相応しい場所はない」
「まだある様に思えますが」
プロコフィエフはフォークとナイフを使う手を止めて言った、彼女の食器も全て銀のもので貴族ならではだ。
「私そして参謀本部からは」
「普通の指揮官ならな」
「アッディーン大統領にはですか」
「通用する防衛ラインは築けない」
そうだというのだ。
「あの防衛ライン以降はな」
「サマルカンド星系までは」
「そして防衛ラインを破られるならな」
その時はというのだ。
「戦力もかなり失っているからな」
「以後戦うことはですか」
「出来ない、ここで敗れるとな」
ティムールがというのだ。
「終わりだ、そしてオムダーマンはな」
「彼等が敗れると」
「後は引き戻される」
戦局をというのだ。
「オムダーマン軍が敗れた場合もな」
「オムダーマン軍は多くの損害を受け」
「戦局は引き戻され戦線もな」
これもというのだ。
「オムダーマン軍から見てな」
「大きく引き戻される」
「そうなるからだ」
だからだというのだ。
「あの戦線をどうするかがだ」
「正念場ですか」
「両軍にとってのな」
そうなるというのだ。
「だからな」
「ここはですか」
「我々も見るべきだ、どちらが勝つかはな」
このことはというと。
「わからない、だがミスを犯した方がだ」
「敗れますね」
「拮抗している状態でミスを犯せば」
「ミスを犯した方がですね」
「敗れる」
タンホイザーは言い切った、そのうえでだった。
鯛の身を食べてそうしてプロコフィエフに語った。
「それが僅かなものでもな、その僅かなミスをだ」
「相手が見過ごさない」
「アッディーン大統領もシャイターン主席もな」
「そのミスに付け込まれ」
「一気にだ」
まさにというのだ。
「攻められてだ」
「ミスを犯した方が敗れますか」
「そうなる、そしてミスはな」
「出ますね」
「人は不完全なものだ、神々や天使ですらミスを犯す」
「神話等ではそうですね」
「それでどうして高度な存在より低い人間がミスを犯さないか」
それはというのだ。
「有り得ない」
「必ずミスを犯しますね」
「人はな、戦争もな」
「ミスがありますね」
「様々なミスが起こった」
人類の過去の戦争においてもというのだ。
「そしてミスをカバー出来ないとな」
「敗れていますね」
「様々なミスがあるが」
「そのミスをカバー出来ない、付け込まれtたなら」
「敗れる」
タンホイザーは強い声で述べた。
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