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星河の覇皇

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第八十八部第三章 最後の防衛ラインその三十

「そしてそれはな」
「あの戦争も同じですね」
「特に名将同志の戦いなら」
「ミスを犯せば」
「一方に攻められてな」
「敗れますね」
「そうなるものだ、では戦局を見よう」
「それでは」
 プロコフィエフも頷いた、そして。
 ここで二人はアクアパッツァを食べた、次にメインディッシュが来たがそれは合鴨のローストにオニオンソースをかけフォアグラもあるものだった。
 そのフォアグラを食べてだ、タンホイザーは言った。
「最近よくフォアグラを食べる機会がある」
「そうなのですか」
「どうもな、そしてこの店のフォアグラは」
 食べてみて言うのだった。
「実にいい」
「質がよくそして」
「味付けも火加減もいい」
「シェフの腕も光っていますね」
「全くだ、私は軍にいる」
 それも幼年学校からだ。
「だから軍の食事に親しんできた」
「軍の食事となりますと」
「どうしてもな」
 貴族即ち士官であってもだ、エウロパでは貴族ならば必ず士官になり通う軍の学校も自動的に幼年学校や士官学校となるのだ。
「平民の学校の食事より遥かに味がいいにしても」
「豪勢ではないですね」
「こうしたものではない」
 決してというのだ。
「粗食ではないがな」
「むしろ美食と言っていいですね」
「将官になると専属のシェフも付き」
 これは家の私費で雇う。
「食事も楽しめるが」
「しかしですね」
「やはりこうした食事ではない」
「美食と言うしかない様な」
「そうではない、だが近頃はな」
「こうしたですか」
「フォアグラにしてもだ」
 この食材にしてもというのだ。
「機会がある、こうした場で食べることが多いからな」 
「その為ですか」
「今の役職になってからだ」 
 宇宙艦隊司令長官に就任してからというのだ。
「どうもな」
「そうなりましたか」
「何かと呼ばれる、美味いとは思う」
「それはいいことですね」
「だがやはり私は軍にいる者でな」
「ここまでの贅沢はですか」
「どうもだ」
 これはというのだ。
「性に合わないと思う」
「閣下ご自身で」
「艦の中で食べるものがな」
 それがというのだ。
「一番美味いと思う、基地でも同じだ」
「そちらでもですか」
「こうしたレストランでの食事もいいが」
「雰囲気ですね」
「それだ、軍の中のな」
 それのというのだ。 
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