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八条学園騒動記

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第七百九十四話 本物の悪党その九

「徒党を組んでもね」
「そうなのよね」
「私利私欲だけでつながっていて」
「それで理念なんてなくて」
「利害関係だけでつながっていて」
「有利な状況でね」
 その権力を貪れる状況でだ。
「群れているだけだから」
「それでよね」
「そう、劣勢になったりね」
「利害で衝突したら」
「もうそれでね」 
 アロアは話した。
「すぐによ」
「仲間割れするわね」
「それで足を引っ張り合うし」
「自滅するわね」
「つくづく小悪党って自分しかないから」
 アロアはこの事実を指摘した。
「だからね」
「仲間割れも常ね」
「仲間同士でも」 
 それでもというのだ。
「結局はね」
「本当の意味の仲間じゃないってことね」
 ジュディは冷めた目で述べた。
「群れているだけで」
「利害関係だけでつながっていて」
「暴君や独裁者の下でね」
「媚び諂って」
 独裁者や暴君にというのだ。
「そうした連中同士でね」
「仲間割れしない方がおかしいわね」
「そうでしょ」
「むしろね」
「それで仲間割れして」
「自滅するのよ」
「お互いやり合って組織も弱体化させて」
 そうしてというのだ。
「もうこれはどんな超大国の政権でもね」
「小悪党しかいないなら同じね」
「お金や地位、権力は何の為にあるか」
「それに相応しい公の行いをすることでしょ」
 ジュリアはきっぱりと言った。
「私腹を肥やすだけなんてね」
「問題外だから」
「そりゃ幾分かの役得はね」
 それはというのだ。
「あるけれど」
「それ位はね」
「連合役得はある程度ならいいって言うし」
「そうだしね」
「付け届けを貰っても」
 賄賂との境界は曖昧である。
「それでもね」
「いいしね」
「立場によって付け届けも増えるし」
「それはいいけれどね」
「もうね」
 アロアにそれこそと話した。
「それだけでね」
「私腹を肥やすだけだと」
「本当に小悪党で」
 そう呼ぶしかなくというのだ。
「それでね」
「そうした流れになるわね」
「ほぼ自滅に近い形でね」
 それでというのだ。 
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