| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十八部第三章 最後の防衛ラインその二十五

「だからね」
「それで、ですね」
「スムーズに進められるなら」
「その様にしていくべきですね」
「是非共」
「そうよ、暗黒宙域の踏破と新天地への進出の計画を立てていくわ」
 こう言ってそちらのこともしていくのだった。
 そのうえでタンホイザーとの話もした、ある日昼食を共にしたところで彼に対して問うたのだった。
「オムダーマン軍ですが」
「今は進撃を止めているな」
 タンホイザーは静かに応えた、見れば。
 二人はオリンポスのある貴族のレストランにいる、その個室の中で二人用のテーブルで向かい合って食べつつ話していた。
「ティムール軍の堅固な防衛ラインを前にして」
「そうなっていますね」
「あの防衛ラインはそうおいそれと攻撃出来ない」
 タンホイザーは指摘した。
「だからな」
「それで、ですね」
「アッディーン大統領もだ」
 彼にしてもというのだ。
「簡単にはな」
「攻められず」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「今はな」
「戦線は膠着していますね」
「また動きがあるだろうが」
 それでもというのだ。
「今はな」
「それもないですね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「まだな」
「私もそう思います、ただ」
 プロコフィエフは食べつつ言った、コースだが今二人が食べているのは鯛のアクアパッツァである。一匹丸ごとのそれを楽しんでいるのだ。
「そこに至るまでの」
「オムダーマン軍の奇襲か」
「あれは一体」
「潜水艦だ」
 タンホイザーは一言で答えた。
「あれはな」
「潜水艦といいますと」
「言ったまでだ、潜宙艦と呼ぶべきかも知れないが」
 宇宙で使用しているからだ。
「隠密性に特化したな」
「そうした艦艇ですか」
「視覚からも確認出来ないな」 
 そうしたというのだ。
「オムダーマン軍は隠密性に特化した艦艇を開発し」
「実戦に投入してですか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「一連の奇襲を成功させたのだ」
「そうでしたか」
「潜水艦だが」
 それでもとだ、タンホイザーはさらに話した。
「実は潜航していない」
「この銀河の中に存在している」
「ただ姿が見えないだけだ」
 隠密性に特化していてだ。
「存在している、兎角だ」
「隠密性に特化しており」
「姿は見えず音もだ」
 これもというのだ、宇宙空間では音は出ない艦内のそれが響いて外に察知されるケースも存在しているのだ。
「出ない様にしたな」
「そうした艦艇で」
「それが分艦隊単位でな」
 即ち千隻程でというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧