星河の覇皇
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第八十八部第三章 最後の防衛ラインその二十四
「だからね」
「それで、ですね」
「進出したならば」
「まずはそのまま進出し」
「独立を防ぐ様にしていくことですね」
「そうすべきよ、他の知的生命体が存在していて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「はい、文明を築いていれば」
「遭遇すれば衝突になる可能性が多分にあります」
「どうしてもその懸念が存在してしまいます」
「他の知的生命体が存在していますと」
「そうなるとね」
どうしてもというのだ。
「そして衝突が大規模な武力にそれになると」
「相手の文明レベルにもよりますが」
「戦争になり」
「進出も遅れますし」
「損害も出ますね」
「そうなるわ」
この懸念があるからだというのだ。
「だから存在しないならね」
「それに越したことはないですね」
「まさに」
「それではですね」
「まずは進出はですね」
「問題ないわ、かつて我々はね」
プロコフィエフはエウロパもっと言うならば大航海時代以降の欧州の進出してからの歴史を話した。
「世界各地に進出して」
「地球において」
「そうして他の文明と出会いました」
「そしてその全てを滅ぼしてです」
「我々の栄華の糧としました」
参謀達も言った、彼等にとっては輝かしい勝利の歴史になっているのだ。
「そうしました」
「コルテスもピサロも」
「東南アジアでもアフリカでもでした」
「我々は勝利を収め」
「そして糧も得ました」
「それでもその分ロスが生じたわ」
戦争を行なった分とだ、プロコフィエフは指摘した。
「そうなったわ」
「左様でしたね」
「時間的にも人的にも」
「戦争はどうしても時間がかかります」
「そして犠牲も出ます」
「そうなったからね」
だからだというのだ。
「出来るならね」
「戦争がなく」
「そうしてですね」
「その分スムーズに進出出来る」
「だからですね」
「それで、ですね」
「ええ、よりね」
こうもだ、プロコフィエフは言った。
「だからいいことよ」
「戦争は我等の武勲にもなり」
「栄華の糧にもなりますが」
「ですが確かに多くのものを費やします」
「進出出来るなら速いに越したことはないですね」
「そうよ、我々は進出が目的で」
新天地へのそれでというのだ。
「戦争はね」
「その必要がないならですね」
「それに越したことはないですね」
「左様ですね」
「ええ、そうよ」
まさにというのだ。
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