夢幻水滸伝
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第三百八十六話 南極調査その八
「そやからな」
「絶対にや」
「行くことは出来んわ」
「起きた世界のジェット機でも」
「難しいし」
「やるとしたら」
マリアは考える顔になった、そのうえでピエトリに話した。
「空船か」
「あれでやな」
「行くしかないわ」
こう話した。
「ほんまな」
「そやな」
「それも二次大戦レベルの」
技術的にというのだ。
「その位でないと」
「この世界の南極の空は無理やな」
「そやね」
「そや、これだけ酷い空やと」
ピエトリは自分達の上空を見上げた、見ればダークグレーの雲で覆われていて今は降っていないが今にも大雪が吹雪で降りそうである。
「それだけの船やないとな」
「進めへんな」
「砕氷艦みたいな」
そうしたというのだ。
「堅固な艦やないとな」
「空は飛べへんな」
「とてもな、けど空から観られたら」
「それに越したことはないな」
「ほんまにな、それで今僕等は地上を進んで調査してるが」
「今のところ異常なしやな」
「ああ、ほんまな」
こうマリアに話した。
「これといって」
「南極の標準やな」
「そんなところや」
「ほんまやな」
「とりあえず地下世界への出入り口は問題なし」
セスペデスは強い声で結論付けた。
「そういうことやな」
「そやな、まずはよしや」
ピエトリはセスペデスのその言葉に頷いた。
「それだけでな」
「ほんまそやな」
「それでや」
ピエトリは話を続けた。
「これからも他の場所を見て回るが」
「調査にな」
「地道にな」
そのうえでというのだ。
「観て回ろうな」
「これからもな」
「それで物資が足りん様になるか」
「艦の乗員や調査隊の疲労が蓄積したら」
「一旦ニュージーランドに戻って」
「休養やな」
「そうしよな」
「出来たらマゼラン海峡の方を使いたかったけどな」
エチェニケが苦い顔で言ってきた。
「今あの辺りは荒れててな」
「セプルベダ達は協力を申し出たけどな」
別勢力の彼等はというのだ。
「こういうことは別やというてな」
「そやけどな」
セスペデスはエチェニケに話した。
「今南米の南から南極に行く海は荒れてる」
「それも大荒れや」
「あの艦で行くとな」
「難破しかねんからな」
「石炭の蒸気船、まだ帆船や」
「そうした艦では怖いわ」
「せめてや」
セスペデスは苦い声で言った。
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