金木犀の許嫁
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第五十九話 母方の祖母その七
「色々と名残もありますが」
「それでもまた違うわね」
「そうみたいです」
「そうよね」
「むしろ当時の文明の最先端を取り入れていました」
忍者はというのだ。
「科学みたいなものも」
「むしろね」
「それで伊賀でもです」
こちらでもというのだ。
「ちゃんとです」
「文明の中にあるのね」
「そうなんです」
「じゃあそうした意味でも安心ね」
「田舎と言えば田舎ですが」
「山の中にあって」
「ですが」
それでもというのだ。
「いい街です」
「それじゃあ結婚したら」
「あちらで暮らします、魚介類も食べて」
「そちらもね」
「そうしていきます」
「それで今度お見合いで行くのね」
「そうなります、そして」
白華はさらに言った。
「多分ですが夜空さん達も」
「伊賀に行くの」
「そうなると思います」
「佐京君達の母方のお祖母さんの実家があるから」
「はい、佐京君の許嫁の婚約したという挨拶にです」
「それでなのね」
「兄さんと一緒にです」
「許嫁の私も一緒ね」
「はい、そして」
さらにというのだ。
「真昼さんもですね」
「私もなら」
「幸雄さんも行かれるので」
「幸雄さんもなの」
「はい、幸雄さんは真田家の方なので」
だからだというのだ。
「伊賀の方に挨拶に行かれる必要があります」
「忍者同士のお付き合いね」
「それもです」
白華は夜空に一呼吸置いてから話した。
「服部家の方と」
「服部家っていうと」
「伊賀の忍者の棟梁のお家です」
「そうよね」
「今もありまして」
それでというのだ。
「伊賀の方で暮らしておられて」
「服部家の人をお会いしに行かれるのね」
「お互いに定期的にお会いする間柄です」
「そうなのね」
「はい、ですから」
「幸雄さんもご一緒ね」
「そうなります、ですから」
それでというのだ。
「家族全員で、です」
「伊賀に行くのね」
「そうなります」
そうだというのだ。
「おそらくですが」
「そうなのね」
「はい、その時は一緒に行きましょう」
「それじゃあね」
「皆で行きましょう」
白華のお見合いの時はというのだ。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
夜空は白華の言葉に頷いた、そうしてだった。
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