金木犀の許嫁
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第五十九話 母方の祖母その六
「八条鉄道でも近鉄でも伊賀にしかです」
「通ってないの」
「そんな感じです」
「辺鄙な場所なのかしら」
「昔はそうでした」
白華も否定しなかった。
「実際に」
「忍者の里だけあって」
「はい」
それだけにというのだ。
「そうした場所です」
「そうなのね」
「ですがちゃんとした街でお城もあって」
そうであってというのだ。
「忍者で観光産業もありまして」
「いい街なのね」
「最近は自動車でも行き来出来ますし」
「むしろ自動車の方が楽かしら」
「はい、行き来は」
夜空はその通りだと答えた。
「むしろ」
「そうなのね」
「はい、そして」
それにというのだ。
「お寺も神社もありまして」
「それで白華ちゃんはお寺に入るのね」
「奥さんとして」
「忍者兼お寺の奥さんね」
「そうなります。あとです」
「あと?」
「ちゃんとガス電気水道は通っていまして」
夜空ににこりと笑って話した。
「携帯スマートフォンも通じます」
「インターネットも出来るのね」
「出来ます」
そちらも大丈夫だというのだ。
「安心して下さい」
「アマゾンも届くのね」
「届きます、忍者も」
この者達もというのだ。
「文明の中にあります」
「むしろ文明あってよね」
白華に考える顔で話した、夜空にとって忍者は人に仕えて働いている言うなら諜報員なので文明あってこその存在なのだ。
「忍者よね」
「文明の中にないとです」
白華も言った。
「ただ動きがいいだけです」
「それだけよね」
「そうです」
まさにというのだ。
「ですから」
「忍者は文明の中にないとね」
「意味がありません」
「忍者じゃないわね」
「元々山の民の影響も強いそうですが」
「今もいるっていう」
「日本の何処かに」
こう夜空に話した。
「言われていますね」
「そうらしいわね」
「あの人達の影響もあるそうですね」
「大体真田家もあちらの人らしいし」
「はい、それであの人達は山にいました」
「文明とはまた違ったのよね」
夜空も話した。
「街や村の」
「そうした場所で暮らしていなくて」
「また別の人達で」
「日本にいましても」
「その人達の影響はあっても」
「ルーツの一つで」
忍者のというのだ。
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