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新オズのブリキの樵

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第四幕その四

「これ程非科学的なことはないね」
「科学でなくても学問はね」
「全てそうだね」
「そう、進歩し続けるものだから」
「非学問的でもあるね」
「そうだよ、そんな人が書いた本や主張はね」 
 そういったものはといいますと。
「間違いしかなくてね」
「下らないね」
「下らない本や主張は何かというと」
 まさにという口調で言いました。
「もうね」
「そんなものだね」
「そうだよ、もう一瞥の価値もない」
「そこまで下らないものだね」
「子供の夢は壊せないよ」
 かかしは言い切りました。
「決してね」
「物凄く大きなものだからね」
「そうだよ、ましてそんな下らない本や主張にだよ」
「何が出来るか」
「何も出来ないよ、未来に鼻で笑われてね」
 そうなってというのです。
「終わりだよ」
「その通りだね」
 王様も頷きました。
「それはもう外の世界でも実証されているね」
「今の技術や知識で未来を否定することがどれだけ愚かかね」
「エジソンさんやライト兄弟が証明してみせたね」
「そうだよ、レオナルド=ダ=ヴィンチさんが色々スケッチしたものは」 
 そうしたものはといいますと。
「当時は空想の極みだったけれど」
「実現したね」
 樵が言いました。
「あの人も今はオズの国にいるけれどね」
「ああ、あの人は確かに」
 ジョージは樵達の言葉にはっとなって言いました。
「芸術だけじゃなくて」
「色々な分野で才能を発揮されていて」
「それでだったわね」
「ヘリコプターとか想像して」
「色々スケッチしていたわ」
 五人でお話します。
「想像して」
「どうしたら出来るか」
「生み出せるか」
「考えていたよ」
「あの頃に」
「そう、そして後世の人達が生み出したから」
 樵は五人にお話しました。
「当時はもう何を描いてるかわからなかっただろうけれど」
「途方もなさ過ぎて」
「お空を飛ぶプロペラとか」
「もう夢なんてものじゃなかったですね」
「それこそ」
「魔法でしたね」
「そんなものが実現されたんだよ」
 樵は笑顔で言いました。
「もうその時点でだよ」
「わかりますね」
「今の技術や知識で未来は語れない」
「決して」
「語ればそれは愚かなことですね」
「これ以上はないまでに」
「そうだよ」
 まさにというのです。 
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