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金木犀の許嫁

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第五十八話 真昼のお見合いその七

「結婚したらね」
「いい奥さんいいお母さんになる様にしていくのね」
「そう努力していくわ」
「お姉ちゃんもお料理上手だしね」
「作るの嫌いじゃないわ」 
 笑顔での返事だった。
「私もね」
「そうよね。だから上手よね」
「好きだと自分から作るから」
「進んでね」
「そしてね」 
 妹にさらに話した。
「作っても褒めてもらえてね」
「駄目出しされたりしないとね」
「余計にね」
「作りたくなるわね」
「文句しか言われないならね」
 作ってもというのだ。
「嫌になるしね」
「そうよね」
 夜空もそれはと頷いた。
「駄目出しばかり言われたら」
「作ったものをね」
「あと作ってる時横からあれこれ言われてもね」
「嫌になるわね」
「もうそれでね」
「やる気なくすわね」
「料理部危ないことは注意してもね」 
 夜空は自分の部活の話もした。
「駄目出しはしないわ」
「そうした部活よね」
「国によっては駄目出しがね」
「駄目ッて国もあるわね」
「そればかりだとね」 
「だから基本褒めるわね」
「ええ、実際文句ばかり言われるとやる気なくして」
 作ったものを食べても作っている時に言われてもというのだ。
「嫌になるしね」
「お料理に限らずね」
「そうもなるから」
 だからだというのだ。
「いいことを言わないとね」
「いや、何でも駄目出ししかしない人なんて」 
 真昼は目を顰めさせて話した。
「一緒にいたくないし」
「何しても駄目、出来ていないじゃあね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「それだけで嫌われるわよ」
「駄目出しって楽っていうわね」
「だって見ないでも駄目って言えばね」
 それでというのだ。
「いいから。あとね」
「あと?」
「駄目だっていう理由は何でも言えるから」
 そうであるからだというのだ、世の中言いがかりと駄目出しはその理由は屁理屈をこねくり回すと何とでも出来るのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「もうね」
 真昼は夜空に話した。
「こんな楽なことないわよ」
「駄目出しは」
「批判精神っていうけれど」
 東大法学部の教授であり政治学者であった丸山眞男からの言葉である。
「批判の為の批判なんてね」
「簡単なのね」
「最悪何でも反対したら」
 そうすればというのだ。 
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