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金木犀の許嫁

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第五十八話 真昼のお見合いその六

「一体ね」
「色々大変よね」
「外見だけを見ることもね」
「駄目よね」
「顔だけの人とか言うけれど」
 真昼はさらに話した。
「お顔も年齢で変わるし」
「生き方が出てね」
「若い時は美形でもね」
「人相が代わるわね」
「歳を取って悪いお顔になる人もいるけれど」
「悪い生き方をしているから」
「そう、人をお顔で選んでもね」
 それで結婚したりすることはというのだ。
「自分がね」
「不幸になるわね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「駄目よ、真面目で穏やかで」
「幸雄さんみたいな人なら」
「最高よ」
「その通りね」
「むしろ私でいいのかしらって」
 その様にというのだった。
「思ってる位よ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「私としては最高よ」
「幸雄さんと許嫁に馴れて」
「そう思ってるわ」
「そうなのね」
「それで結婚したら頑張っていい奥さんになって」
 真昼はさらに話した。
「いいお母さんにね」
「なるのね」
「そうなるわ」
「頑張ってね」
 夜空は真昼のその言葉を受けて言った。
「それじゃあね」
「そうしていくわね」
 真昼も約束した。
「これからは」
「私もね。今からね」
「いい奥さん、いいお母さんになる様になのね」
「頑張るからね」
「そうしてね、ただね」
「ただ?」
「夜空ちゃんは今の時点でね」
 目の前にいる妹を見て言うのだった。
「充分いい奥さんでね」
「いいお母さん?」
「そうだと思うわ」
「ここままでいいの」
「そう言われると違って」 
 妹にすぐに返した。
「これからも努力してさらにね」
「よくなっていくことね」
「人間の成長って際限がないから」
「どんどんよくなれるのね」
「完璧ってなくてね」
 そうであってというのだ。
「それで何処かでもね」
「よくなっていくのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だから今のままでも充分でね」
「さらによくなるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「どんどんね」
「だから努力していくことね」
「お料理もお掃除もお洗濯もね」
「全部努力していけばよくなるわね」
「ええ、私もね」  
 真昼自身もというのだ。 
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