ファンシーハネムーン
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第二章
「京都や東京や大阪じゃないのね」
「長崎だよ」
フランコはミカエラに笑顔で話した
「あの街だよ」
「長崎ね」
「あの街は日本でも特に色々な場所があってね」
「蝶々夫人の舞台ね」
ミカエラはプッチーニの歌劇のことを思い出して言った。
「長崎は」
「そうだよ、そうでもあってね」
フランコはさらに話した。
「日本じゃない様な場所もあるから」
「そこも行くのね」
「それで楽しもう、日本に他のものも」
「それじゃあ」
フランコの言葉に笑顔で頷いてだった。
ミカエラは彼と共に長崎に行った、そこでグラバー園や中華街や大浦天主堂を観て回って和食を食べる時に行った。
「日本である筈なのに」
「日本だけじゃないね」
「ええ、グラバー園はアメリカでね」
「中華街があって」
「大浦天主堂もあって」
「色々な文化があって」
長崎はというのだ。
「日本にいても日本じゃない様な」
「神秘的な街ね」
「この世にはない様な。海があって」
「坂道がこれでもかとあって」
「そしてね」
フランコは刺身を食べつつ話した。
「木も多くてね」
「こんなところ他にはないね」
「桜の木も沢山咲いていて」
「春だからね」
今の季節はというのだ。
「日本は春になると」
「桜が咲くのね」
「日本のあちこちでね」
「それで長崎もなのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「この街もね」
「そうなのね」
「そして」
夫はさらに話した。
「同じ長崎だけれど別の場所にも行くよ」
「長崎市じゃないのね」
「長崎県でもね」
「日本では県と市が同じ名前であることが多いわね」
「この長崎もそうでね」
「その長崎のなのね」
「他の場所にも行くよ」
夫は妻に話してだ、そのうえでだった。
二人は今度はハウステンボスに入った、佐世保市のその場所に。するとミカエラはフランコに対して言った。
「オランダの街を再現していても」
「日本だね」
「日本にあることがわかるわ」
「取引先に日本の企業もあってね」
「そちらにいる人から聞いたのね」
「そうなんだ、それでね」
そうであってというのだ。
「ここのことを聞いたけれど」
「テーマパークでもあって」
「そしてね」
「日本の中にオランダがあって」
「宮殿もあってね」
「ホテルも欧州のもので」
煉瓦の道を歩きつつ話した。
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