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ファンシーハネムーン

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第一章

                ファンシーハネムーン
 新婚旅行先は何処か。
 ローマで貿易会社に勤めているフランコ=アルゲリッチ一八五の長身で黒髪をオールバックで整えた細面で細い引き締まった顔立ちと身体つきの彼は妻となった証券会社で働いている友人の紹介で知り合ったミカエラ長い癖のあるブロンドの髪の毛に彫のある明るい細い顔に一六〇位の背で胸の大きな彼女に尋ねた、二人共目は黒である。
「式の後になるけれど」
「一生のことだし」
 式と並んでとだ、妻は夫に話した。
「思い出になるね」
「そんな旅行にしたいね」
「神秘的というかこの世にはない」
 妻はさらに話した。
「それでいて可愛らしい」
「そんなところに行きたいんだ」
「ええ」
 夫にそうだと答えた。
「そう考えているわ」
「神秘的でこの世にはない様で」
 フランコはミカエラのその言葉を聞いて言った。
「しかも可愛いとなると」
「心当たりがあるかしら」
「あると言えばあるよ」
 ミカエラに微笑んで答えた。
「僕は貿易会社で働いているから」
「世界のあちこちを知っているわね」
「秘境だってね」
 そう言われる場所でもというのだ。
「知っていてね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「そうした場所もね」
「心当たりあるのね」
「うん、そこに行こうか」
「それじゃあね」
「君は旅行が好きだったね」
 フランコはミカエラの趣味についても問うた。
「そうだったね」
「ええ、だからEUの中なら時間とお金があれば」 
 ミカエラはすぐに答えた。
「色々とね」
「巡ってきたね」
「パリも離脱前のイギリスのロンドンも行って」
 そうしてというのだ。
「ノイスヴァンシュタイン城もプラハもワルシャワも行ったわ」
「地中海もよね」
「そうよ。ギリシアもスペインもね」
 こうした国々もというのだ。
「そしてスウェーデンでオーロラも観たわ」
「色々巡ってるね」
「欧州は結構ね」
「だとするとアジアはまだだね」
「中国は今度ね。アメリカもね」
「じゃあ日本にしようか」
 フランコはここでこの国の名前を出した。
「神秘的でこの世にはない様な」
「不思議な国ではあるわね」
「しかも可愛いものもね」
「多いのね」
「今の君の願いにぴったりだし」
 それでというのだ。
「新婚旅行はね」
「日本ね」
「あの国に行って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「行くのね」
「そうしよう」
 こう話してだった。
 二人は日本に行くことにした、そして式を挙げた後実際に日本に行くことになったがミカエラは自分達が行くその街についてフランコに言った。 
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