夢幻水滸伝
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第三百八十五話 自然にも目を向けてその四
「そんなんせえへんし」
「絶対にですね」
「そやで」
こう答えたのだった。
「あたいは」
「そうした方ですね」
「基本仕事して趣味を満喫出来たら」
それでというのだ。
「ええで」
「そのご趣味は」
「読書やで、特にな」
肉屋に笑って話した。
「いやらしい小説や漫画を」
「あの、それはです」
「伴侶を得られては」
爺さんも肉屋もファラのその趣味を聞いて眉を顰めさせて言った。
「それでいいのでは」
「そうしたことについては」
「いや、起きた世界で彼氏さんまだおらんし」
「こちらの世界でもですか」
「そうした人はいなくて」
「まあこれは縁やから」
交際相手それに伴侶が出て来ることはというのだ。
「そやからね」
「今はですか」
「そうした漫画や本を読まれますか」
「起きた世界でもそうしてるし」
それにというのだ。
「こっちも世界でもやで」
「そうされていますか」
「そうなのですね」
「そやで、ちなみにあたい起きた世界でもこっちの世界でもそうした経験ないで」
このことも笑って話した。
「これからの勉強の為にも」
「読まれていますか」
「そうなのですね」
「そやで」
そうだというのだ。
「それでそうした趣味を満喫出来たら」
「いいのですか」
「ファラ様としては」
「それで、ですか」
「その趣味を満喫出来たらですね」
「ええで」
そうだというのだ。
「これが」
「そうなのですね」
「今で充分贅沢やで」
笑ってこうも言った。
「そんな宮殿建ててそこでご馳走に囲まれた暮らしとか」
「興味はおありでないですか」
「ないで」
肉屋にきっぱりとした口調で答えた。
「ほんまね」
「今のお暮しはです」
爺さんはファラのその言葉を聞いて言った。
「一つの勢力の棟梁としてはかなり質素ですが」
「そうなん」
「一軒家で普通に暮らしておられるので」
「それでなん」
「はい、かなり質素です」
「そうやねんね」
「はい、ですが」
それでもというのだった。
「見れば星の方はどなたもですね」
「質素やねんね」
「そうしたお暮らしですね」
「そういえばそうやね」
ファラも確かにと頷いた。
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