金木犀の許嫁
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第五十八話 真昼のお見合いその五
「それで、です」
「知った間柄でだね」
「問題なくお話出来たのね」
「いつも通り」
幸雄の両親に微笑んで話した。
「出来ました」
「だったらね」
「私達が言うことはないわ」
二人は夜空に笑顔で応えた。
「それじゃあね」
「後はもうな」
「どうするか」
「二人で答えは出ているな」
「うん、いい答えだよ」
幸雄が言ってきた。
「それは」
「それはいいな」
「何よりよ」
両親は幸雄の言葉を受けて微笑んで頷いた。
「それではね」
「後は任せた」
「返事を待っているわね」
「私もよ」
真昼も彼女の両親に話した。
「答えは出ていてね」
「それでだな」
「私達がいいと思うものね」
「ええ、またね」
「言ってくれるな」
「そうね」
「ええ、そういうことでね」
にこりと笑う両親に自分もと話した。
「待っていてね」
「そうしておくな」
「お父さんお母さんはね」
「そういうことでね」
真昼はこの時も笑顔だった、そして二人はそれぞれの両親に返事をした、その返事はどういtったものだったかというと。
「やっぱりね」
「喜んでって言ったわ」
家に帰ってだ、真昼は夜空に笑顔で話した。
「お父さんとお母さんにね」
「幸雄さんもよね」
「お互いのご両親にね」
「そうなったわね、もうね」
夜空は真昼にそれこそと話した。
「私もね」
「それ以外ないって思ったでしょ」
「ええ」
その通りだと答えた。
「もうね」
「そう、本当にね」
真昼はさらに話した。
「幸雄さんがどういった方かね」
「よく知っているから」
「いい人だって」
「真面目で穏やかで浮気なんてしない」
「ギャンブルもね」
「暴力も振るわないし」
「だったらね」
それならというのだ。
「何が問題か」
「もうね」
「ここで面白みがないとかね」
「そうは言わないわね」
「そうよ、真面目でそうした人ならね」
それならというのだ。
「全くね」
「問題なしよね」
「悪い男が退屈しないとか」
「そんなこと言う人もいるわね」
「ヤクザ屋さんと結婚して何がいいのよ」
そもそもというのだ。
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