金木犀の許嫁
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第五十八話 真昼のお見合いその三
「決まっていますので」
「だからですね」
「はい、それで」
その為にというのだ。
「ほぼ確実にです」
「決まっていますね」
「そうです、そう考えますと」
「あまりですね」
「緊張することはないですね」
「そうですね。それじゃあ」
「宜しくお願いします」
幸雄は微笑んで言い真昼もだった。
頭を下げた、そうしてだった。
二人はそれぞれお見合いに入った、礼儀正しい動作であるがそれでも和気藹々としてお互いの両親も親しく話し。
そのうえでだ、二人だけの時間になると。
「何かですね」
「はい、穏やかにです」
幸雄は料亭の中庭で真昼と共にお茶を飲みつつ応えた。
「進んで」
「堅苦しくなかったですね」
「そうでしたね、お料理もです」
そちらもというのだ。
「美味しかったですね」
「そうでしたね、流石ですね」
真昼は笑顔で応えた。
「有名な料亭だけあって」
「それで、ですね」
「凄くです」
笑顔のまま話した。
「美味しくて量もあって」
「よかったですね」
「あれが懐石料理ですね」
「そうです、懐石料理はです」
これはというと。
「ああしたもので」
「コースみたいですね」
「色々なお料理が出まして」
そうしてというのだ。
「それで」
「デザートもですね」
「出まして」
そうしてというのだ。
「楽しめます」
「そうなんですね」
「そして」
幸雄はさらに言った。
「このお店は特に多いです」
「そうなんですね」
「品数が」
コースのそれがというのだ。
「ボリュームも」
「一皿一皿の」
「ですから」
そうであるからだというのだ。
「そちらもです」
「楽しめるので」
「それにお酒もです」
こちらもというのだ。
「いいので」
「美味しいですね」
「楽しめます」
「私未成年でも」
「八条グループのお店ですから」
「八条町みたいにですね」
「内密ですが」
そうであるがというのだ。
「飲めますので」
「飲んでいいですね」
「はい」
そうだというのだ。
「楽しまれて下さい」
「わかりました」
真昼は微笑んで頷いた。
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