新オズのブリキの樵
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三幕その五
王女は樵から丸薬を貰って飲みました、そこでこう言いました。
「鳩になりたいわ」
「鳩だね」
「赤と黄色のね」
この色のというのです。
「なりたいわ」
「じゃあ僕もね」
樵も飲みます、そしてジョージ達五人もです。
それぞれ丸薬を飲みました、するとでした。
王女は赤と黄色、お国の色の鳩になりました。樵はブリキの梟、そしてジョージ達五人はそれぞれの服の色の先程の燕達になりました。
そのうえでお空を飛ぶとまさに風よりも速く飛びまして。
すぐにお城に戻りました、するとです。
そこにはかかしに臆病ライオン、モジャボロに教授、そしてエリカとビリーナがいました。彼等もでした。
「僕達も見付けてきたよ」
「コンサートの候補地をね」
「それぞれね」
「いい場所があったよ」
「ウィンキーはいい球場やグラウンドが多くて」
「コンサート会場もね」
「うん、オズの国全体でね」
まさにと言う樵でした。
「そうした場所が多いね」
「テーマパークも多いけれど」
王女も言ってきました。
「もう国全体が、だからね」
「テーマパークだからね」
「コンサートを開く場所も」
「とても多いね」
「そうよね」
「それで候補地も多くなるね」
こう王女に言いました。
「コンサートを開くにしても」
「そうね、ただね」
王女は今いる面々を見回してお話しました。
「ドロシー王女がいないわね」
「実は今お話中なんだ」
かかしが答えました。
「オズマとね」
「コンサートのことで」
「そう、お城の中でね」
「もう帰ってるのね」
「そうなんだ、けれどね」
それでもというのです。
「コンサートのことで何かとね」
「お話することがあって」
「今は別のお部屋にいるよ」
「そうなのね」
「トトとつぎはぎ娘も一緒だよ」
ドロシーと、というのです。
「そうだよ」
「そう、そしてね」
それにというのです。
「お話が終わったらね」
「ドロシー王女も戻って来るのね」
「こちらにね」
「じゃあその時を楽しみにしてるわ」
王女アにこりと笑って言いました。
「ドロシー王女とお会いする時をね」
「アン王女ってドロシー王女お好きかな」
「大好きよ」
ジョージににこりと笑って答えました。
「あの人もオズマ姫もね」
「だからですね」
「お会い出来る機会だから」
直接というのです。
「本当にね」
「楽しみで」
「その時を待っているわ」
そうだというのです。
「じっくりとね」
「そうですか」
「ええ、たあね」
「ただね?」
「焦ることはね」
それはというのです。
「全くね」
「そうですか」
「焦っても意味ないからね」
だからだというのです。
ページ上へ戻る