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戦死と共に

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第五章

「やばいな」
「ウクライナをすぐに降伏させて」
「占領するところ占領してな」
「それを既成事実にしようと思っても」
「それでもな」
「それが出来なかった」
「その時点で失敗なんだよ」
 ロシア軍の今回の軍事行動はというのだ。
「戦力だけじゃなくて国力を消耗して」
「国際的な評判や信頼はドン底だ」
「戦争が終わってもな」
「いいことはないな」
「もうボロボロの」
 そう言っていいというのだ。
「廃墟みたいな状況だよ」
「今後のロシアはな」
「そう考えるとな」
「ロシアは失敗してるな」
「ああ」
 まさにというのだ。
「戦争は政治っていうしな」
「その政治で失敗してるな」
「全くだな」
 二人で話した、凍死した北朝鮮軍の将兵達はまだいて余計に思うのだった。
 後に二人が所属する部隊は一時キーウに入った、キーウにも戦争の傷跡がある。ベンシチーはその傷跡を見てコラシェンコに話した。
「戦争も何時かはな」
「ああ、終わるな」
「終わらないことなんてな」
「ないさ」
 コラシェンコも言った。
「絶対にな」
「それでこの戦争もだよ」
「そうだな」
「そしてどんな悪い奴がどんな悪巧みをしてもな」
「ロシアは失敗してるしな」
「その失敗を覆すなんてな」
 そうすることはというと。
「もうな」
「簡単には出来ないな」
「ああ、そこまでの失敗だよ」
「ロシアの失敗はな」
「だからだよ」
「北朝鮮なんかも頼るな」
「あんなのに頼る位な」
 まさにというのだ。
「やばいんだよ」
「今時凍死者を出す位な」
「そうだよ、だから俺達もな」
「死ぬかな」
「終わるまでな」 
 それまでというのだ。
「戦おうな」
「ああ、辛くて寒くてもな」
「戦う為に来たんだ」
「この国にな」
「義勇兵として」
「それならだ」
 義勇兵ならというのだ。
「戦わないとな」
「全くだ、そしてな」
 さらに話した。
「今も寒いな」
「キーウもな」
「だからな」
「暖かくしないとな」
「さもないとな」
 それこそという口調であった。
「凍死するからな」
「俺達もな」
「凍死したらな」 
 それこそというのだ。
「戦争どころじゃないからな」
「全くだな」
 そうなると、というのだ。 
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