| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

戦死と共に

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第六章

「本当に」
「そうだとな」
「ちゃんとな」
「暖かい様にする」
「ちゃんと服を着る」
「それでこんな状況でもな」
 戦争をしていてもというのだ。
「暖かいものも食わないとな」
「北朝鮮は食うものなくてもな」
「俺達はあるんだ」
「だったらな」
 それならというのだ。
「食わないとな」
「ああ、ボルシチ食うか」
「そうだな、ボルシチはな」
「こっちの料理だ」
「ウクライナの」
「ロシア料理じゃないんだ」
 俗にそう思われることが多いがというのだ。
「ウクライナ料理だ」
「だったらな」
「この戦争の終わりをよくする為にも」
「ウクライナにとって」
「そのことを願ってな」
「ボルシチ食おうな」
「是非な」
「そして」
 そうしてというのだ。
「温まろうな」
「そして寝てな」
「戦っていこうな」
「辛いさ」
 今の状況はというのだ。
「本当に、けれどな」
「それでもな」
「この戦争も終わる」
「そして終わらせるなら」
 それならというのだ。
「もうな」
「一つだ」
 二人同時に言った。
「ウクライナにとっていい」
「そうした終わらせ方だ」
「そして世界にとってもいい」
「そうした終わらせ方じゃないとな」
「悪者にとって都合がいい終わらせ方なんてな」
「あってたまるか」
「全くだ」 
 それこそというのだ。
「絶対にな」
「ウクライナの人達も頑張ってるんだ」
「それこそ武器がなくなってもな」
 そうなろうともというのだ。
「素手になっても戦うな」
「ウクライナの人達はな」
「だったらな」
 それならというのだ。
「俺達もだ」
「死ぬまで戦おうな」
「最後の最後までな」
「その為にここに来たんだ」
 ウクライナ、それも戦場にというのだ。
「だったらな」
「戦うぞ」
「俺達も素手になってもだ」
「それでも戦ってやる」
「北朝鮮軍なんか蹴散らしてやろうな」
「寒さにもな」
 こう言い合った、北朝鮮軍の将兵を凍死させた寒さにも向かわんとしていた。彼等も他の義勇軍の将兵達も目が燃えていた。ウクライナの為に戦おうと。


戦死と共に   完


                    2025・3・27 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧