夢幻水滸伝
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第三百八十四話 穏やかな少女その八
「そのうえで」
「左様ですね」
「毎日穏やかにです」
「いいことですね」
「ほんまあーし焦るのは苦手で」
そうであってというのだ。
「穏やかにおっとりとです」
「暮らされることがお好きですか」
「お仕事をしましても」
それでもというのだ。
「焦ることはせえへんですし」
「お暮しでもですね」
「そうです、それで使用人の人達も」
住み込みでそうしている者達にもというのだ。
「ほんまです」
「そういえば評判ですよ」
親父はチェチーリアにカウンターの中から言って来た、カウンターの席に座っている彼女に対してそうした。
「穏やかで怒ることがないと」
「あーしはですか」
「はい」
そうだというのだ。
「そうした方だと」
「確かに怒ることはないです」
チェチーリア自身が見てもだ。
「あーしは」
「左様ですね」
「周りから言われたこともないですし」
「ご自身でもですね」
「記憶にないです」
そうだというのだ。
「ほんまに」
「そして穏やかで」
そうであってというのだ。
「表情も悪くなられないので」
「基本無表情ですね」
「そうした方なので」
だからだというのだ。
「素晴らしいとです」
「言われていますか」
「そうです」
「そうなんですね」
「やはり短気でお顔にそれを出される方や」
「それだけで困りますね」
チェチーリアにしてもだ。
「中南米って感情豊かな人ばかりで」
「喜怒哀楽がよく出て」
「短気な人も多いです」
「こちらの世界でもですね」
「そうですね」
「その中で怒られず穏やかであられるので」
チェチーリアはというのだ。
「そのことからもです」
「人気があるんですね」
「評判がいいです」
「そうなんですね」
「しかもとてもお優しいので」
このこともあってというのだ。
「尚更です」
「それでも死刑は」
「されますね」
「やっぱり極悪人はです」
そう言うしかない輩はというのだ、どうしてもそう呼ぶしかない輩というものは世に存在しているものなのだ。
「許せません」
「そうですね」
「そやからです」
だからだというのだ。
「死刑は行われますね」
「ええ人が困ってです」
「悪人が蔓延ることはですね」
「絶対によおないので」
だからだというのだ。
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