ハッピークローバー

「駄目出しばかりでその為に屁理屈とか言いがかりまでこねて」
「よくないですね」
「そのうち偉そうに言う様になって」
　その駄目出しをというのだ。
「ふんぞり返る様になるわ」
「あれですね」
　越智は先生の話をここまで聞いて言った。
「相手の欠点がわかって指摘出来る自分偉い」
「批判精神とか言うわね」
「それを持っていて他の人は言えなくても」
「言える自分は偉いってね」
「勘違いしますね」
「それで何でもあら捜しばかりしてね」
　そうしてというのだ。
「言っていくのよ」
「偉そうに」
「けれど他の人やものばかり見て」
　そうしていてとだ、先生は話した。
「自分のことはね」
「見ないで」
「おろそかになって」
「自分は駄目になりますね」
「マイナスばかり見ているとね」
「そのうちそうなりますね」
「最悪ね、けれどプラスも見ていくと」
　そちらもというのだ。
「トータルで考えられる様になっていいものを見たら自分もね」
「そうありたいと思って」
「自分にも採り入れてね」
　そうなっていってというのだ。
「感化されるわ」
「それで努力していって」
「よくなるわ、だからプラスもね」
「見ることですね」
「何でもね、日本の悪いことばかりいいことばかり言う人は」
　そのどちらもというのだ。
「結局は同じでね」
「悪いことばかりだとマイナスですね」
「いいことばかりでもね」
　そちらもというのだ。
「改善点がわからなくて」
「駄目ですね」
「災害が多いなら」
　日本の困ったところのというのだ、イギリスから来た先生にとっては兎に角日本の災害の多さと大きさは困ることなのだ。
「対策も講じるでしょ」
「それで備えますね」
「そうなるしね」
「地震でも台風でも」
「他の災害でもね」
「プラスばかりでも駄目ですね」
「それでトータルで見て」
　そしてというのだ。
「伸ばす点、改善点をね」
「見出すことですね」
「欠点しかない国や人やものもなくて」
「いいものばかりもですね」
「ないから」
　先生は断言した。
「それでよ」
「総合的に見て」
「どうかよ」
「何でも誰でもですね」
「そうよ」
　まさにというのだ。
「本当にね」
「そういうことですね」
「それでイギリスもいい国だけれど」
　総合的に見てというのだ。
「食べものは美味しくなくて寒くてお水が悪くても」
「それでもですね」
「トータルで見ると。先進的だし音楽いいし街も自然も奇麗で」
　そうした国でというのだ。