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夢幻水滸伝

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第三百八十四話 穏やかな少女その二

「ドラゴンとも格闘戦が出来ます」
「ドラゴンですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そこまでの強さです」
「そやから用心棒も出来ますか」
「左様です、衣食住は保証します」
 その全てはというのだ。
「うちに空いている部屋がありますので」
「そうですか、実はあーしこの世界に来たばかりで」
 それでというのだ。
「お金は多少ありましても」
「住む場所はないですね」
「お仕事も」
「ではです」
「はい、渡りに舟です」
「それでは」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった。
 チェチーリアは居酒屋の歌手兼用心棒となった、そのうえで詩人の仕事もはじめたのだった。すると。
 居酒屋で働く様になって一月でエルフの若い女が店に来て彼女に言ってきた。
「私は新聞記者ですが」
「そうなんですか」
「チェチーリア様のご高名は聞いています」
 店の席に向かい合って座って話した。
「詩人としても。ですから」
「あーしの詩を新聞にですか」
「掲載して頂けますか、勿論報酬は約束します」
 記者は確かな声で述べた。
「それも多額の」
「多額ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「それだけの価値がありますので」
「あーしの詩には」
「様々な詩を詠われ特に和歌がお得意ですね」
「日本の」
「その和歌は毎日で」
 掲載してもらいというのだ。
「他の分野の詩もです」
「そちらもですね」
「掲載して欲しいのです」
「あーしの詩、和歌が新聞に載るなんて」
 チェーチリアは夢の様だと思って話した。
「嘘みたいです」
「嘘ではないです、特に和歌が」 
 この詩がというのだ。
「いいです」
「そうですか」
「和歌といえば日本で」
「日本文化ですね」
「マニアックな人気があります」
「日本文化は独特なので」
「はい」
 まさにという返事だった。
「ですから」
「和歌はですね」
「毎日掲載したいです、そして原稿料も」
 それもというのだ。
「勿論です」
「支払ってくれますか」
「それもこれだけ」 
 記者はその額を提示した、それはこの世界のボリビアでは結構なものでチェチーリアもそれを見て言った。
「これなら」
「いいでしょうか」
「多いですね」
「チェチーリア様の詩にはそれだけの価値があるということです」
「そうですか」
「それでは」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった。 
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