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新オズのブリキの樵

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第一幕その十二

「科学と合わさってね」
「素晴らしいものが生まれますね」
「そうだよ、そんな世界ををね」
「認められないですね」
「絶対にね、だからね」 
 それでというのです。
「僕はそんな人にはなりたくないよ」
「今のことだけで否定してばかりの」
「未来を認めない人は」
「絶対にね、出来ると思って努力すれば」 
 そうすればというのです。
「それが出来なくても必ずだよ」
「何かになりますか」
「そうだよ、絶対に何かを得るんだよ」
 そうだというのです。
「努力すればね」
「その通りですね」
「努力は無駄にならないですよね」
「絶対に」
「外の世界でそうで」
「オズの国でもですね」
「そうだよ、否定したらそれで終わりだよ」
 その時点でというのです。
「諦めたらそれで終わりと言うけれど」
「否定してもですね」
「それで終わりですね」
「その時点で」
「そうなりますね」
「本当に」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「出来ると思う、不可能はない」
「何でも可能ですね」
「努力すれば」
「余の辞書に不可能という文字はない、ですね」
「そう思ってですね」
「やることですね」
「そうだよ、否定はそれで終わりだから」
 それを行った時点でというのです。
「まさにね」
「無理だと言ってもそうで」
「進歩もしないですね」
「よくならないですね」
「そこから」
「そうですね」
「若し今の科学の知識が絶対というなら」
 それならというのです。
「そここそまさにだよ」
「非科学的だよ」
 かかしは断言しました。
「これ以上はないまでのね」
「そう言う人こそですね」
「非科学的ですね」
「今の科学を絶対と言う」
「そして未来の科学を否定する」
「そう言う人が一番非科学的ですか」
「そうだよ、オズの国の科学もどれだけ発展したか」
 それこそというのです。
「途方もなくだからね」
「僕達がドロシーと会った時はテレビなんてなかったしね」 
 樵はかかしに言いました。
「全くね」
「そうだったね」
「想像もしなかったよ」
「殆ど誰もね」
「外の世界だと」
 樵はさらに言いました。
「僕達の少し前は八十日で世界一周なんてね」
「夢だって言われたらしいね」
「しかし出来たよ」
「今は飛行機だと半日かな」
「そこまで進歩したんだ」
「本当にどうなるかわからないよ」
 それこそというのです。
「だから今の技術で言うとね」
「未来の技術を」
「こんな無駄なことはないよ」
「どれだけ進歩するかわからないのに」
「空想か何か知らないけれど」
 かかしはそれでもと言いました。
「その人は当時は言ったね」
「絶対に八十日で世界一周は出来ないって」
「そう言って否定して」
「それまでだったね」
「そうなるよりは」
 それこそというのです。
「どうしたら出来るか」
「そう考えてやっていく」
「そうあることだよ」
「そうでないと何も変わらないよ」 
 こうお話するのでした、そして今はドロシー達を待つのでした。 
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