金木犀の許嫁
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第五十六話 真昼の許嫁その八
「酷い人にも出会うから」
「そうなるから」
「だからね」
それでというのだ。
「そうした人と出会ったらね」
「信じない」
「それで出来るだけね」
「関わらないことね」
「本当に利用されてね」
その相手にというのだ。
「いざとなったら裏切られたり」
「用済みとなったらポイ、ね」
「時代劇や特撮の悪役みたいだけれど」
真昼はそれでもと話した。
「実際にね」
「そんな人いるわね」
「世の中にはね」
「だからよね」
「そうしたことも頭に入れて」
そのうえでというのだ。
「本当にね」
「気を付けることね」
「世の中いい人ばかりじゃないから」
「悪い人もいるのね」
「渡る世間は鬼ばかりじゃないけれど」
「鬼はしっかりいるわね」
「その鬼よりもね」
むしろというのだ。
「酷い人もね」
「いるわね」
「だからね」
それでというのだ。
「私もね」
「注意してるし」
「夜空ちゃんもね」
「注意しないと駄目ね」
「悪い人もいて」
世の中にというのだ。
「それでね」
「注意して信じない」
「距離を置いてね」
「お付き合いしても」
「そうしていってね」
「ええ、しかし」
ここで夜空はこうも言った。
「悪い人っていることはわかっていても」
「身近にいたりもよ」
「するのね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「これがね」
「近寄っても来るのかしら」
「利用できると思ったらね」
そう相手が思ったならというのだ。
「そうしてくるわ」
「そうなのね」
「悪人はね」
そう言うべき輩はというのだ。
「本当にね」
「近寄っても来るのね」
「そうもしてくるから」
だからだというのだ。
「その時はね」
「人をよく見るの」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「いい人ならね」
「信じて」
「悪い人ならね」
「近寄らせない」
「近寄ってきても」
それでもというのだ。
「関わらないことよ」
「そうしないと自分が利用されて終わりね」
「そうなるからね」
「それも悪いことに利用されるのよね」
「そうよ」
真昼はその通りだと答えた。
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