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金木犀の許嫁

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第五十六話 真昼の許嫁その七

「相手の人は。佐京君はいい子だしね」
「結婚していいのね」
「私もそう思うわ」
「それで性格が悪い人とは距離を置く」
「佐京君と結婚してもね」
「それが大事ね」
「本当にお金や権力じゃないから」
 見るべきものはというのだ。
「付録にもならないから」
「その人の」
「その人の価値はね」
 それはというと。
「性格だから」
「性格を見て判断する」
「そうよ、平気で人を裏切るなら」
「一緒にいてもね」
「利用されるだけで」 
 ただそれだけでというのだ。
「何かあったらね」
「ポイ、ってことね」
「そうなるわよ」
 実際にというのだ。
「自分の都合でね」
「その人の」
「もうね」
「そうなるわね」
「だからね」
 それでというのだ。
「夜空ちゃんもね」
「そうした人とは付き合わない」
「若しお付き合いすることになっても」
 それでもというのだ。
「絶対にね」
「信じたら駄目ね」
「信じたらね」  
 その時はというのだ。
「痛い目を見るわよ」
「裏切られて」
「相手の勝手な都合でね」
「だから信用しないで」
「大事なことも任せないで」
 そうしてというのだ。
「言うこともね」
「しないことね」
「そうよ」
 絶対にというのだった。
「お友達でもね」
「持たないことね」
「そうしてね。それで佐京君がそんな人じゃなくて」
 真昼はさらに話した。
「おじさんおばさんもね」
「そうした人達じゃないし」
「白華ちゃんもね」
 彼女もというのだ。
「間違ってもね」
「人を裏切ったりしないわね」
「自分の都合でね」
「むしろ最後までついてきてくれるわね」
「信じた人をね」
「白華ちゃんもそうよね」
「いい娘でしょ」
 彼女はというのだ。
「そうでしょ」
「ええ」
 夜空はまさにと答えた。
「あの娘もね」
「だから夜空ちゃんは結婚相手と嫁ぎ先は大丈夫よ」
「そのことだけでかなりいいわね」
「そうよ、誰か一人でもね」
 それこそというのだ。
「問題のある人がいたら」
「それだけで大変よね」
「そうなるからね」
 それ故にというのだ。
「夜空ちゃんはね」
「幸せね」
「家庭はね、けれどね」
「人生家庭だけじゃないから」
「学校でも趣味でも。将来はお仕事でも」
「色々な人と出会って」
「その中でね」
 真昼は自分が知っている限りの世の中についての識見を話した、まだ高校生でそれは少ないと思いながらもそうした。 
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