金木犀の許嫁
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第五十六話 真昼の許嫁その六
「何があってもね」
「結婚したら駄目ね」
「お金と権力があってもね」
「イケメンでもよね」
「勿論よ」
一も二もないといった返事だった。
「お顔うよりずっとね」
「性格が大事ね」
「幾らお顔がよくても」
それでもというのだ。
「性格が悪いとね」
「駄目よね」
「それに若い時イケメンでも」
真昼はそれでもと話した。
「性格ってお顔に出るでしょ」
「人相ね」
「そう、性格が悪いと」
それならというのだ。
「そのお顔もね」
「悪くなるわね」
「だからね」
「性格ね」
「元のお顔が悪くても」
そう言われるものでもというのだ。
「性格がいいとね」
「人相がよくなって」
「それでね」
「いいお顔になるのね」
「そうなるからね」
「お顔は考えなくていいわね」
「だから私も人相が悪い人は」
世の中にそうした輩もいるがというのだ、真昼もまたこれまでの人生でそうした輩と出会ってきているのだ。
「出来るだけね」
「近寄らないのね」
「そうしているしね」
「結婚もなのね」
「しないわ、性格がね」
「大事ってことね」
「結婚相手はね、例えば」
真昼はこうも言った。
「さっきお話モラルがない」
「下品で思いやりがなくて」
「底意地が悪くてね」
そうであってというのだ。
「自分以外の人を見下している」
「そんな人だと」
「その時お金と権力があってもね」
「落ちるわね」
「平家物語みたいにね」
「驕る何とやらね」
「久しからずだから」
それどぇというのだ。
「結婚してもね」
「よくないわね」
「自分も巻き込まれるわよ」
妹に話した。
「確実に転落するけれど」
「その転落に巻き込まれるのね」
「そうなるから。最悪ね」
「最悪?」
「変な国だと連座でね」
それでというのだ。
「自分も処罰されたりするわよ」
「結婚していたら」
「そうなるわよ、昔の国でもね」
「日本でも連座ってあったし」
「そうでしょ、だからね」
「そうした人には近寄らない」
「結婚なんてね」
それこそというのだ。
「間違ってもしたら駄目よ」
「性格が悪い人とは」
「本当によく見てね」
妹に強い声で告げた。
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