世界の礎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九話 開墾その十二
「山岳戦に強い者達がいてよかった」
「主にチベットの者達です」
カニは話した。
「あちらで戦う者達は」
「騎馬での戦も独特だが」
義青はカニに応えて話した。
「山での戦もだ」
「やはり独特ですね」
「そうだ、だから歩兵でな」
「険しい場所に慣れた」
「そうした者達でだ」
「戦うことですね」
「だからだ」
ダラム、チベット仏教の法主である象人の老人である彼を見てそのうえで話した。
「チベットの兵達を動かしたのだ」
「帝国の武具を持たせたうえで」
「そうだ、山には山の戦がある」
こうダラムに話した。
「今後山で戦う者達も育てるが」
「まずはですか」
「チベットの者達をな」
山で生まれ育った彼等をというのだ。
「用いる」
「そうして攻めますか」
「四川はな、そして中国の山岳部をだ」
「掌握していきますか」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「西の王国の主な部分はな」
「砂漠そして長城を越えて」
カニが再び口を開いた。
「そうしてですね」
「これまで通り攻める、間もなく敵の都に達するが」
「その都もですね」
「迫る、だが攻める前にだ」
「降る様に言いますね」
「そうする」
こう言うのだった。
「これよりな」
「そうしますね」
「それとだ」
ここでだ、義青はこうも話した。
「我々は常に補給を怠っていない」
「はい」
カニはまさにと答えた。
「我が軍は」
「食料に武具がないとな」
「戦えないですね」
「だから常に拠点を設けてだ」
戦の際はというのだ。
「そこに糧食も武具も集めてな」
「そこから攻めていっていますね」
「中国に対してはサマルカンドからな」
この街からというのだ。
「アルマアタ、ウルムチ、ハミにダランザガダトと置き」
「敦煌ですね」
「あの街を最大拠点としてだ」
「攻めていますね」
「モンゴルややはりサマルカンドからだ」
「カラガンダ、ノボクズネツクと進み」
そしてというのだ。
ページ上へ戻る