世界の礎
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第九話 開墾その十三
「さらにですね」
「イルクーツクからモンゴルに入りな」
「満州に入りました」
「まさにオアシスや湖添いの街を伝い」
「満州もですね」
「今満州の開拓を進めているが」
それだけでなくというのだ。
「特に瀋陽に拠点を置き」
「やがてあの街からもですね」
「長城を越えてな」
そうしてというのだ。
「中国に入る」
「そうしていきますか」
「補給は忘れない」
絶対にというのだ。
「だから道もだ」
「整えていますね」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「補給能力以上の秦軍もだ」
「行わず」
「敦煌に糧食や武具を集め」
そうしてというのだ。
「さらにだ」
「中国に入っていきますね」
「そうしていく」
「補給第一ですね」
コムが言ってきた。
「何と言いまして」
「戦はな」
「補給能力に応じた軍を送り」
「進軍もだ」
「それ次第ですね」
「他の国は略奪をしてだ」
そうしてというのだ。
「現地で調達するが」
「帝国は行いません」
「それを行うと後に民となる者達から反感を買う」
「帝国の民となる」
「彼等の糧も奪い餓えさせもするしな」
「悪手ですね」
「それに常に安定して糧食等を確保出来るか」
このこともだ、義青は話した。
「その場所による、その軍を動かせるだけのものが確保出来ないとな」
「略奪をしてもですね」
「よくはない、だからだ」
そうであるからだというのだ。
「補給をだ」
「行いますね」
「我が軍はな、物資を用意し」
糧食や武具をというのだ。
「送る軍に見合うだけのな」
「そして道を整え」
「物資を載せる車や牛馬も用意してな」
「それから戦となっていますね」
「そうしている、だからな」
「中国もそうして攻めますね」
「そうする、そして敦煌をな」
この街をというのだ。
「第一の拠点とする」
「わかりました」
コムは確かな声で応えた、帝国は実際に四川を攻め長城から南下してそのうえで敦煌を目指した。この街の主はあっさりと降り帝国軍はそこに入った。
第九話 完
2024・12・23
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