| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十六話 真昼の許嫁その二

「お見合いの話をしてその時になったら」
「行って来るわね」
「頑張ってね」
「私も高校の間にお見合いの話があって」
 真昼はそれでと話した。
「許嫁の人出来るって思っていたけれど」
「今なんてね」
「思わなかったわ」
 そうだったというのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「けれど夜空ちゃんもだし」
 妹である彼女がというのだ。
「それならね」
「お姉ちゃんもね」
「お父さんお母さんよく言ってたし」
「だから」
「今来たってね」 
 その様にというのだ。
「思うだけでね」
「驚いていないのね」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「特にね」
「そうなのね、何かね」
 夜空はここでこう言った。
「よくお姉ちゃんが先とか言うけれどね」
「お見合いとかが?」
「結婚とかね」
「そんなの別にいいでしょ」
 真昼は妹の今の話にあっさりとした口調で返した。
「順番なんて」
「そうなの」
「そんなのはどうでもよくて」
「どうでもいいのね」
「問題は誰とどういった幸せな家庭を築くか」
 それがというのだ。
「そういうことでしょ」
「お姉ちゃんが先とかはないのね」
「それで焦って変な人と結婚したら駄目でしょ」
「それはね」
 夜空も確かにと頷いた。
「元も子もないわ」
「でしょ?焦ってお見合いしてね」
「結婚して」
「それでね」
「変な人と結婚したら」
「もうね」
 それこそというのだ。
「大変だからね」
「そうなのよね」
「だからこうしたことはね」
「焦らないのね」
「そう、だから私は何も思わないで」
 そうしてというのだ。
「お話も来るってわかっていたし」
「何も言わないで待っていたのね」
「お見合いのお話が来るのをね」
「そうだったのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「お見合いは幸雄さんだけれど」
 それでもというのだ。
「お見合いしてみて変な人だったら」
「お断りなのね」
「もうそれは家柄とか財産じゃなくて」
「その人を見ることね」
「幾ら家柄がよくてね」
 そうであってとだ、真昼は夜空に話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧