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ドリトル先生の長崎での出会い

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第十二幕その八

「持っている人はです」
「持っていますね」
「そして実際にです」
 先生は執事さんにもお話しました。
「ありますので」
「だからですね」
「この倍は中尉です」
「あの人が生まれ変わって」
「そしてです」
 そのうえでというのです。
「無意識の下で反省や後悔の気持ちを持っていて」
「そうそう、生まれ変わるとね」
 ガブガブが言ってきました。
「前世の記憶って基本なくなるんだよね」
「前の人生のことだから」
「そうなるね」  
 オシツオサレツが二つの頭で言います。
「だから基本表に出ないんだよね」
「前世の記憶は」
「けれど魂にはあって」
 前世の記憶がとです、ジップは言いました。
「無意識の部分にあるんだよね」
「普段は出ないけれど」 
 チーチーはそれでもと言いました。
「魂に確かにあって」
「ふと影響を及ぼしたりね」
 ホワイティはそれでと言いました。
「出て来たりするんだよね」
「そうした不思議なものだね」 
 老馬は実際に不思議に思っています。
「前世の記憶って」
「中尉の反省と後悔は物凄く強い筈だから」
「出たら心配ね」
 チープサイドの家族もお話します。
「その時は」
「押し潰されないといいけれど」
「生まれ変わっても贖罪するなんて」
 トートーは中尉のことを考えて言いました。
「とても残酷なことじゃないかな」
「前世のことは前世のことでしょ」
 ダブダブは少し咎める口調になっています。
「今のことじゃないから」
「若しあの人が中尉の生まれ変わりでも」
 それでもと言うポリネシアでした。
「蝶々さんのことは反省も後悔も必要ないわ」
「そうだよ、本人がしていないことで反省しろと言うなら」
 先生はそれこそと指摘しました。
「間違いも甚だしいよ」
「全くだね」
「それは大きな間違いだよ」
「これ以上はないまでに」
「そう言うしかないね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「そこは間違えないでね」
「それでだよね」
「やっていくべきだね」
「是非共」
「そうであることだね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「幸せになることだよ」
「全くだね」
「その通りよね」
「全く以て」
「それが正しいよ」
 皆は先生の言葉に頷きました。
「自分がやっていないのに」
「例え前世のことにしても」
「反省とか後悔とか駄目だよ」
「する必要がないから」
「前向きでいないと」
 先生はこうも言いました。 
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