世界の礎
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第九話 開墾その二
「灌漑も行いな」
「農業を行うのですか」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「遊牧はこれまで通りだ」
「行っていきますか」
「どうしても農業が出来ない地域もある」
義青はそのこともわかっていた、だから言うのだった。
「可能な行うがな」
「どうしても無理なら」
「行わない、だがアルマアタやタシケントの辺りでは綿を大いに作り」
そうしてというのだ。
「売る」
「綿ですか」
「またカスピ海やアラル海でこれまで以上に漁業を行い」
「魚等を獲って食べるのですね」
「そして売る」
そうもするというのだ。
「干物や燻製、塩漬けにしてな」
「そのうえで、ですね」
「売って利益も得る。また軍の糧食にもする」
「干物や燻製も」
「そうする、また遊牧で得た肉にだ」
家畜のそれにというのだ。
「チーズやバターやヨーグルトもな」
「糧にしてしかも売るのですね」
「帝国の内外でな」
「そうしますか」
「帝国のものは質がいいと評判だが」
これは義愛が常に優れた技術を出して造らせているからだ、帝国のものは全て周りの国のものが及びつかないまでに質がいいのだ。
「それを外にもだ」
「売って利益を得ますね」
「そうしていく、では高原もな」
「進出して」
「東の果てまで達してな」
そうしてというのだ。
「そこからだ」
「中国ですね」
「あの地を手に入れる」
こう言ってだった。
義青は国家戦略を進めていった、高原でも可能な限り農業を行い。
そして多くの遊牧民達を部族単位で帝国に加えてだった。
戦って降しもした、彼等は確かに馬を巧みに乗りこなし強いが。
「馬の質が違いますね」
「そうだ、それもだ」
義青は戦場でとある部族を自軍の優れた騎兵隊で退けつつ傍らで馬に乗っているボルチに話した。彼もまた馬に乗っている。
「考えていた」
「体格がよく足の速い馬ですね」
「高原の馬は確かに優れているが」
それでもというのだ。
「アラビアの馬の方がだ」
「体格がよく足が速いですね」
「そのアラビアの馬達をだ」
「多く養い」
「そして軍に入れているからな」
そうしているからだというのだ。
「同じ騎兵でもだ」
「我等の方が強いですね」
「数も装備も上だしな」
「術も効果的に使っているので」
「遊牧民達も術を使っているが」
このことは同じだがというのだ。
「しかしだ」
「我等の様に整って用いていません」
「そうだ、弓は得意だが」
遊牧民達はというのだ。
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