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金木犀の許嫁

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第五十五話 忍者は冷静にその十

「そうしてるいわ」
「そこまでね」
「低く見られてるわね」
「そう見られるまでね」
 それこそというのだ。
「巨人は弱いってわかってるんだ」
「巨人関係者だとね」
「色々あって無理にでも優勝って言うけれど」
「他の人達はね」
「どう見ても最下位以外ないから」
 そうした状況だからだというのだ。
「そう言うよ」
「そうよね」
「そうじゃないとね」
 それこそというのだ。
「おかしいから。五位すらね」
「ないわね」
「毎年百二十敗北してるから」 
 それだけ負けているからだというのだ。
「それで五位もね」
「ないわよね」
「絶対にね」
「若し過去の栄光なんて忘れて」 
 夜空はここで思った。
「選手育成していったらね」
「ああはなっていないよ」
「そうよね」
「補強しても」 
 佐京はそれでもと話した。
「それだけじゃなくてね」
「育成もちゃんとすることね」
「それが出来る監督さんやコーチ陣を用意して」
「育成のシステムも確立して」
「設備も整えていたらね」 
 そうしていればというのだ。
「お金がなくなって補強が出来なくなったら駄目とか」
「そうはなっていないわね」
「そうだよ」
 絶対にというのだ。
「あのチームも」
「そうよね」
「育成はね」
 それはというのだ。
「一番いいのに」
「巨人はしなくなったのね」
「フリーエージェント制度が導入されてから」
 それからというのだ。
「そればかりになって」
「育成を忘れて」
「そしてね」100
 その結果というのだ。
「ああなったんだよ」
「補強ばかりになって」
「育成を忘れて。もっと言えば」
「昔の栄光にこだわって」
「コーチ陣は巨人出身者多いし」
 そうしてというのだ。
「監督さんなんかね」
「生え抜きの人よね」
「それで名前が知られている人でないと」
「なれないのよね」
「そんな風だから」
 それでというのだ。
「もうね」
「あそこまで落ちぶれたのね」
「そうだよ」
「そういうことね、ただね」
 ここで夜空は佐京に言った。
「幸雄さんと姉さんもだけれど」
「俺もかな」
「白華ちゃんもね。皆冷静に見ているわね」
「巨人について」
「それで言ってるわね」
「冷静でないとね」
 佐京は夜空のその言葉に答えた。 
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