金木犀の許嫁

「もうならないから」
「絶対に」
「だからね」
　それでというのだ。
「やりなおさないと駄目よ」
「もう巨人って名前だけでフリーエージェント避けられて」
　真昼がこの現実を話した。
「メジャーからもね」
「誰も行かないのよね」
「いい選手がいないから」
「むしろフリーエージェントで逃げる人ばかりなのよね」
　巨人からというのだ。
「今は」
「そうよね」
「そこまでなんてね」
　その状況はというのだ。
「ちょっとね」
「物凄いわよね」
「ある意味ね」
　こう姉に話した。
「そう思うわ、私も」
「二十五年の間そうだから」
「普通は何とかしようってね」
　改善を試みようと、というのだ。
「するけれど」
「巨人はしないわね」
「本当に過去の栄光ばかりで」
　それにこだわりというのだ。
「変わろうとしないわね」
「何があっても。これってね」　
　真昼は夜空に話した。
「自浄能力がない」
「そう言うのね」
「悪いままでね」
　その状況でというのだ。
「それはね」
「自浄能力がないっていうのね」
「そうよ」
　妹に言い切って話した。
「あのチームはね」
「そうなのね」
「だからね」
　それでというのだ。
「ずっとね」
「弱いままなのね」
「過去は過去でしょ」
「幾ら凄くても」
「それで今は今で」　
　真昼はさらに話した。
「未来は未来でね」
「全く違うわね」
「だから過去にしがみついてもね」
　そうしてもというのだ。
「何にもならないわ」
「巨人はそれがわかっていないのね」
「そう、九連覇とかね」
「凄かった時のことばかり言って」
「それにしがみついてばかりで」　
「何の努力もしていないから」
「補強だけだと本当の強さじゃないのよ」
　真昼は言い切った。
「チームの今の時点の弱点を補うだけでね」
「他の戦力が必要よね」
「ちゃんと育ててね」
「巨人は選手全然育てないので有名だしね」
「今はドラフトもいい加減でね」
「スカウトの人達もやる気がないのね」
「そうなっていてね」　
　それでというのだ。
「他の誰もが知らない様な変な人をドラフト指名するから」
「それも一位か二位でよね」
「しかも二軍でも三軍でもほったらかしだから」
　まともに指導もしないというのだ、尚巨人は一九九〇年代中頃からドラフトの下位指名の選手はほぼ無視されていると言われてきている。