| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百九十話 下着その五

「湯文字か着けてないか」
「褌だったのよね」
「それでその上にね」
 さらに言うのだった。
「襦袢とか着てたのよ」
「昔の日本の女の人は」
「そう、それでね」
 そうであってというのだ。
「ティーバックだったのよ」
「派手ね」
「日本らしいと言えばね」
「らしいわね」
 ジュディはアロアの言葉にこう返した。
「一見慎み深くて」
「実は大胆」
「独自の文化を持ってるわね」
「しかもね」
 アロアはさらに言った。
「常に先を往く」
「世界の文化のね」
「そんな国だから」
「下着もなのね」
「既に、江戸時代にはね」
 その頃にはというのだ。
「ティーバックだったのよ」
「つくづく凄い国ね」
「考えてみたら」
 ジュリアはこう言った。
「男の娘も日本はね」
「江戸時代あったしね」
「そうよね」
「平安時代にもね」
 この時代にもというのだ。
「あったしね」
「とりかえばや物語ね」
「同性愛普通だったしね」
「その頃から」
「同性愛のもつれからね」 
 そこからというのだ。
「政争になるとか」
「物凄い展開ね」
「そうしたこともあった国で」 
 だからだというのだ。
「下着もね」
「時代を先取りしていたのね」
「ティーバックだったのよ」
 アロアはジュリアに話した。
「既にね」
「女の子なら誰でも」
「そう、小さな女の子もね」
 自分達より幼いとだ、アロアは答えた。
「褌穿いたらね」
「ティーバックだったのね」
「そうだったのよ、それで褌の色は赤も多かったのよ」
「所謂赤褌ね」
「他には柄のものもあったのよ」
「ああ、何かね」
 柄の褌と聞いてだ、ジュディは言った。
「傾奇者がね」
「派手な褌穿いたりもしてたのよ」
「そうよね」
「だから女の人もね」
「そうした褌穿いてたかも知れないのね」
「日本ではね」 
 アロアはジュディにも答えた。
「そうかも知れないわ」
「成程ね」
「しかも褌見せる場合もあったし」
「見せパンね」
「ほら、助六さん」
 アロアは歌舞伎で極めて有名なキャラクターの名前を出した、十八番の一つであり歌舞伎きっての色男とされている。
「褌見せてるでしょ」
「ああ、赤褌ね」
「そうしてるわね」
 ジュディもジュリアも頷いた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧