ハッピークローバー
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第百六十話 大きくなりたいその十五
「少なくとも私達の平行世界の日本だとね」
「本当に治安悪いわよね」
留奈も言ってきた。
「広島のシリーズよりもね」
「あのシリーズも大概だけれどね」
「警察機能してるしね」
「初代総長さんが白バイの人で」
警官をやっていてというのだ。
「締めるところはね」
「ちゃんと警察出るしね」
「殺し殺されでも」
このシリーズもそうした展開だがというのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「最低限の治安はね」
「あるわね」
「けれど東京の方はね」
「警察動いてないわね」
「どう見てもね」
それこそというのだ。
「あまり機能してないわ」
「そうよね」
「あんなに警察機能してないなんて」
かな恵はさらに言った。
「この世界の日本じゃね」
「ないわね」
「絶対にね」
留奈に断言した。
「そう言えるわ」
「そうよね」
留奈も確かにと頷いた。
「神戸だってね」
「治安いいし」
「大阪だってね」
「そんな警察がどうにもならない組織なんて」
「そこまで犯罪やってる人達とかね」
「いないから」
かな恵は断言した。
「流石にね」
「そうよね」
「だからあの漫画はね」
「私達の世界じゃないわね」
「ええ、しかし本当にね」
かな恵はあらためて言った。
「タトゥーはないわ」
「入れるものじゃないわね」
「あんなの入れて何がいいのか」
それがというのだ。
「わからないわ」
「ファッションにしても」
理虹も眉を曇らせて言った。
「ないわね」
「どうしてもっていうなら」
かな恵は理虹にも話した。
「貼るのでいいでしょ」
「ペーパーね」
「そう、それでね」
こう言うのだった。
「いいでしょ」
「すぐに剥がせるから」
「それにね」
かな恵はさらに言った。
「安いし痛くないし」
「どうしてもなら」
「ペーパータトゥーでね」
「いいわね」
「そう思うわ」
「消すの大変だからね」
理虹もこのことはわかっていて言うのだった。
「そう思うとね」
「入れないことよ」
「ペーパーでいいわね」
「どうしもしたいっていうなら」
それならというのだ。
「それでいいでしょ」
「そうよね」
「本当にタトゥーなんてね」
「入れるものじゃないわね」
「絶対にね」
かな恵は言い切った、そうした話をしているとだった。
五人共本格的に眠くなってきた、そうしてそれぞれの寝袋の中で深い眠りに入った。起きた時はもう朝だった。
第百六十話 完
2024・12・1
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