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ハッピークローバー

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第百六十話 大きくなりたいその十三

「キャラ普通に入れてるけれど」
「それどんな漫画?」
「東京を舞台にしたヤンキー漫画で」
 理虹はまずはジャンルの話をした。
「何度もタイムリープする」
「ああ、あの漫画ね」
 かな恵もここまで聞いてわかった。
「リベンジャー」
「あの漫画だけれど」
「あの漫画確かにそうね」
「でしょ?タトゥ―普通に入れてるでしょ」
「人死んでね」
「あの作品世界じゃ普通よね」
「あの漫画は有り得ないから」 
 かな恵はむっとし高尾になって口をへの字にさせて答えた。
「普通の世界じゃないでしょ」
「暴走族の世界でもね」
「まともに学校通ってないし」
 登場人物達がというのだ。
「どう見てもね」
「そうよね」
「本当に喧嘩で人死ぬし」
「殺し殺されでね」
「もうね」 
 その展開はというと。
「有り得ないから」
「普通じゃないわね」
「そりゃそんな作品世界だと」
 かな恵はへの字の口のままさらに言った。
「タトゥーだってね」
「普通ってことね」
「ヤクザ屋さんの世界と同じだから」 
 それこそというのだ。
「もうね」
「リアルじゃないわね」
「リアルであんな世界に生きているって」
 それはというと。
「どんな人生よ」
「大人になって本当にヤクザ屋さんになってる展開あったしね」
 一華も言ってきた。
「タイムリープの中で」
「主人公含めてね」
「並のヤクザ屋さんよりずっと悪質だったけれど」
「神戸の人達真っ青のね」
「そんな世界だから」
 だからだというのだ。
「タトゥーもね」
「頭の横とか首筋に入れていても」
 それでもというのだ。
「普通よ」
「そういうことね」
「考えたらね」
 かな恵はその作品についてこうも言った。
「十代だけれどね」
「あの漫画のキャラってね」
「十代でタトゥー入れるとか」
「それも中学生とかで」
「まずないわよ」
「日本だとね」
「どれだけ荒んでるのよ」
 こうも言ったのだった。
「一体ね」
「世紀末よね」
「そう言っていい世界よ」
「バイクで走り回ってるし」
「東京にあんな人達はね」
「普通いるって思わないわね」
 一華はきっぱりと言い切った。 
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