金木犀の許嫁
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第五十五話 忍者は冷静にその三
「当然です」
「そうよね」
「若しです」
白華はさらに話した。
「あのチームがまた優勝したらわかりませんが」
「有り得ないわよね」
「二十五年連続最下位です」
白華は巨人のこの現実を指摘した。
「勝率一割台で何もかもが駄目で」
「いい選手もいないし」
「怪我人ばかり出て」
そうなっていてというのだ。
「監督もコーチも」
「いい人いないし」
「それで、です」
そうした巨人に相応しい状況でというのだ。
「優勝なんてです」
「出来る筈がないわね」
「そうです」
「巨人にいいところってないのよね」
真昼も言ってきた。
「何一つとして」
「普通どんなチームでもいいところあるわね」
「絶対にね」
「投手陣がいいとかね」
「あるけれど」
幾ら弱いチームでもというのだ。
「それでもね」
「巨人については」
「本当に何もかもが駄目で」
「いいところないわね」
「人でもいいところがない人って」
「ほぼいないわね」
「もうそんな人はね」
まさに文字通り美点や長所と呼ぶべきものを備えていない輩はというのだ、残念ながら世の中そうした輩も存在する。
「人と言っていいかどうか」
「わからないわね」
「駄目人間って言っても」
真昼はこの言葉も話に出した。
「まだ人間って言うからには」
「いい部分あるわね」
「そうだけれど」
それがというのだ。
「人の底を抜いてね」
「そこから堕ちたら」
「もうね」
「人でなくなって」
「人としていいところもね」
そう言っていい部分もというのだ。
「なくなるのよ」
「そうなって」
「それでね」
「巨人もなのね」
「他チームから選手を掠め取ることばかり考えて」
「他のことをしなかったから」
「堕ちてね」
そうしてというのだ。
「あそこまでね」
「弱くなって」
「いいところがなくなったのよ」
「ただひたすら打てなくては知れなくてエラーばかりして」
「打たれて采配はミスしてね」
「怪我人多くて不祥事ばかり起こして」
「何もないね」
そう言っていいまでのというのだ。
「最低最悪のチームになったのよ」
「底を抜いたのね」
「人としてのね」
「だからあそこまで弱くて悪いのね」
「そうなのよ」
「まさにです」
幸雄がまた話した。
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