ハッピークローバー
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第百六十話 大きくなりたいその十一
「ヤクザ屋さんよ」
「真っ当な人は入れないわね」
「何でもね」
かな恵はさらに話した。
「ある人が車運転してて」
「その時になの」
「高校時代の同級生と擦れ違ったそうなのよ」
「車に乗ってて」
「相手の人も車に乗っててね」
そうであってというのだ。
「相手の人はその人に気付かなかったみたいだけれど」
「それでもその人にはわかったのね」
「その相手の人が平気で万引きする様な」
「悪い人だったのね」
「捕まらないならね」
それならというのだ。
「犯罪もやる様な」
「そんな人だったの」
「それでその人の手首見えたけれど」
「タトゥーあったのね」
「手首にタトゥーあったら」
かな恵はそれならと話した。
「確実に真っ当なお仕事に就けないでしょ」
「それはね」
一華も確かにと答えた。
「面接で落とされるわ」
「高校時代そんな人でね」
「平気で万引きする様な」
「そんな人だからね」
「見える場所にタトゥー入れてたのね」
「つまりね」
「まともな人になってないのね」
実に嫌そうな顔で話した。
「大人になって」
「絶対にね」
「まあね、お仕事色々あるけれど」
富美子も言ってきた。
「タトゥーあったら会社にはね」
「真っ当なね」
「そこにはいられないわね」
「そうよね」
「採用しないから」
まともな会社はというのだ。
「タトゥーある人なんて」
「だからその人も思ったらしいわ」
「高校時代悪くて」
「今もだってね」
「そういうことよね」
「うん、私もタトゥー嫌いだし」
かな恵は雲った顔で言った。
「絶対にね」
「入れないのね」
「入れると痛いし」
このことは有名なのでかな恵もわかっている。
「消しにくいしね」
「凄くね」
「しかもお肌傷めて」
「身体にも悪いのよね」
「お金もかかるし」
「入れないわね」
「何で入れるのか」
こうもだ、かな恵は言った。
「わからない位よ」
「そうよね、私もね」
「あんなの入れるってね」
「気が知れないわ」
「いいことないわよね」
「今じゃね」
富美子はさらに言った。
「お風呂屋さんにも行けないから」
「スーパー銭湯とかね」
「そうだしね」
このこともあってというのだ。
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