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ハッピークローバー

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第百六十話 大きくなりたいその九

「あの頃の絵だとふっくらとして」
「おかめ顔よね」
「男の人もね」
「絵だとふっくらしてるわね」
「けれど実は」
「今みたいな感じで」
「あの頃から日本人のお顔変ってないみたいだし」 
 そうであってというのだ。
「美人さんもね」
「私達みたいな感じなの」
「眉を描いてお羽黒を塗ってもね」
 それでもというのだ。
「お顔自体はね」
「変わってないの」
「織田信長さんのリアルな絵だってね」
 かな恵は言わずとも知れたこの人物の話もした。
「時代違うけれど」
「あの人戦国時代だしね」
「西洋風の写実的な」
「そうした絵もあるの」
「あの人はね、その絵だとね」
 織田信長はどうなるかというのだ。
「口髭に髷の結構なイケメンよ」
「そうなの」
「今の私達の中にもいそうな」
「ちょん髷がないと」
「そうでね」
 そうであってというのだ。
「私達と変わらないわ」
「そうしたお顔なの」
「そうだったのよ、三十代半ば頃の絵らしいけれど」
 彼のその時のというのだ。
「日本の絵って昔は確かな肖像画でもないと」
「お顔リアルじゃなかったのね」
「そうみたいよ、だから平安時代もね」
 この頃もというのだ。
「お顔はね」
「変わってないのね」
「そうみたいよ」
 こう言うのだった。
「これがね」
「そうだったのね」
「けれど時代によって奇麗の基準はね」
「変わるわね」
「胸が大きい方がいい時代もあって」
「小さい方がなの」
「国によっても違うしね」
「ああ、それあるわね」
 留奈がまさにと応えた。
「学校でもね」
「あるでしょ」
「ええ、そのお国によって」
 実際にとだ、かな恵に答えた。
「お顔やスタイルの基準がね」
「違うわよね」
「その人の好みもあるしね」
「一概には言えないわね、私胸はこれ位でよくて」
 かな恵は留奈にあらためて話した。
「背もね」
「それ位でいいの」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「絶対に駄目なのは」 
 かな恵は留奈に強い声でこうも言った。 
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