金木犀の許嫁
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第五十四話 忍者の家でもその六
「ネットでよく民族とか地域とか人種の悪口言う人って」
「女の人も差別するわね」
「男の人が多くて」
「あれよ、もうどうしようもないね」
クラスメイトはこう返した。
「性根の悪い」
「そんな男の人ね」
「現実の生活は知らないわよ」
それはというのだ。
「いい環境かそうでないかは」
「それはそれぞれよね」
「職場や学校で苦しい状況にあって」
そしてというのだ。
「お家でもそうで」
「ストレス溜まってて」
「鬱屈していて」
「内心差別意識持って」
「自分が低く見られてるのが嫌で」
そうであってろいうのだ。
「自分より低い相手を見付けて馬鹿にする」
「そんな人もいるわね」
「だからね」
それでというのだ。
「ネットでね」
「差別しているのね」
「それでそんな人がね」
「女の人も差別しているのね」
「そんな場合もあれば」
若しくはというのだ。
「充実していても元々性格が悪くて」
「偏見の塊で」
「人種でも民族でも出身地でもね」
「差別していて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「女の人もよ」
「ただ性格が悪いだけね」
「そこはそれぞれよ、どんな立場でもね」
「差別する人は差別するのね」
「そうだけれど」
それでもというのだ。
「そうした差別する男の人はね」
「女の人も差別して」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「そんなこと言うのよ」
「そんな人とお付き合いしたくないわね」
夜空は心から言った。
「絶対に」
「そうよね」
「最低な人だから」
それはというのだ。
「お付き合いしたくないわ」
「それがね」
ここでクラスメイトはこんなことを言った。
「そんな人と結婚する人もよ」
「いるのね」
「ガチの差別主義者とね」
そう言っていい輩と、というのだ。
「そうする人がいるのよ」
「最低なのに?」
「ただ差別するだけじゃなくて」
それに留まらずというのだ。
「冷酷だったり傲慢だったり嘘吐きだったり」
「そんな人でも」
「そう、それでね」
さらに言うのだった。
「DVもあったり権力に平気で媚びたり」
「そこまで最低でも」
「それでもね」
「お付き合いするの」
「結婚だってね」
「地位や権力があっても」
それでもとだ、夜空は顔を顰めさせて言った。
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