夢幻水滸伝
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第三百八十一話 南から北へその一
第三百八十一話 南から北へ
マリア=ロス=パストスはこの世界に来てすぐに声から必要なことを全て聞いた、そして目を開けるとそこはアスンシオン郊外のジャングルであり。
自然の声を聞きつつまずはどうしようかと考えここにいても何もならないと判断しアスンシオンに入ってだった。
仕事を探したが柄の悪い人間の男、腹が出て小さな目で茶髪の五十代位の男が店で怒鳴ってるのを見て咎めた。
「馬鹿なことは止めて下さい」
「何だお前女が出るな」
「女でも注意することはします」
マリアは男に強い声で言った。
「営業妨害ですよ」
「五月蠅い、客が邪魔で理解力がないから言ってるんだ」
「人に理解力がない?貴方何様ですか」
マリアは男の無礼な態度に怒って言い返した。
「随分礼儀を知らない人ですね」
「女でガキが偉そうに言うな」
「言います、お店の中で怒鳴らない様に」
「何っ、お前」
男は激昂しマリアに遅い掛かろうとしたが。
マリアは睡眠の術で眠らせた、そして男を自分の鞭で縛って警察に突き出したうえで警官に対して言った。
「お店で暴れていましたので」
「捕まえてか」
「引き渡しに来ました」
「またこいつか」
犬人の若い男の警官は男を見て言った。
「この辺りで有名な屑なんだよ」
「お店で怒鳴ってばかりですか」
「碌なことしない嫌われ者で」
そうであってというのだ。
「職場でも家でも皆からね」
「嫌われている」
「自分のことしか考えないで底意地が悪くて態度も悪い」
「最低な人ですね」
「そうなんだよ、まあ今度やらかしたら強制労働に送ることになっていたし」
それでというのだ。
「これでね」
「強制労働ですね」
「職場もクビになって」
そうしてというのだ。
「家族も離婚するだろうし」
「万々歳ですね」
「うん、しかしあんた」
ここでだ、警官はマリアを見た、そして即座に目を丸くして言った。
「何者!?」
「はい、実は」
マリアは警官にすぐに答えた、すると警官はこう返した。
「星の方だとは」
「思いませんでしたか」
「はい」
とてもという返事だった。
「まさかです」
「そうでしたか」
「あの、この世界を救って下さいますね」
「それが私達の務めですね」
「その通りです」
「そうですね、ですが私はまだ何をしてええか」
それがとだ、マリアは警官に話した。
「全くです」
「わかっておられないですか」
「この世界に来たばかりで」
「そうなのですね」
「どうしたものか」
「でしたら」
それならとだ、警官はマリアに話した。
「これからです」
「どうすべきでしょうか」
「はい、今街の周りの自然環境がです」
「よおないみたいですね」
「おわかりですね」
「ドルイドで自然の声が聞こえるので」
だからだとだ、マリアは答えた。
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