夢幻水滸伝
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第三百八十話 ペルーの冒険者その十六
「そしてそこから知識を得てな」
「その知識を活かしていく」
「そうすることでな」
「歴史も学べますね」
「そや、アホは偉そうに文句言うだけで」
「本を読んでもですね」
「何も得るもんはない」
そうだというのだ。
「それやと読んでもな」
「意味はないですね」
「そや、それでわしはほんまな」
「経験も歴史もですね」
「学ぶという観点で言うとな」
それならというのだ。
「ほんまな」
「同じですね」
「そう思うわ、何も経験積まんで賢くなることはないし」
そうであってというのだ。
「歴史を学ばんでも経験を積んでるとな」
「賢くなりますね」
「そうなるわ、敬虔は馬鹿に出来んで」
「歴史と同じだけ価値がある」
「そう思うわ」
アルゲダスに話した。
「それでわし等もな」
「経験を積むことですね」
「そや」
まさにというのだ。
「そうしてくことや」
「それが大事ですね」
「ああ、ほなお互いな」
「これからもですね」
「経験を積んでな」
そうしていってというのだ。
「成長していこな」
「そうですね、この世界でもそうしていって」
アルゲダスはエチェニケの話をここまで聞いて微笑んでだった、そのうえで彼に対して自分の言葉を返したのだった。
「起きた世界でもですね」
「そうしてこな、嫌なことも経験するけどな」
「嫌な経験もですね」
「中には汚れた悲しみもあるわ」
こうもだ、エチェニケは言った。
「汚れちまった悲しみな」
「悪いことをした結果ですね」
「中原中也さんの言うな」
「あの人は色々ありましたしね」
「女性関係にお酒にな」
「喧嘩もして」
そこで太宰治と揉めたこともある。
「色々あったしな」
「そうした人やったので」
「悪いこともしてきてな」
「後で悲しんだ」
「そんなこともあったからな」
だからだというのだ。
「ほんまな」
「色々あった人ですね」
「そやったからな」
だからだというのだ。
「そうしたことも言って実際人はな」
「汚れた悲しみも経験しますね」
「そして成長するもんやろな」
「そうした経験もありますね」
「それで悪いことばかりしてな」
そうであってとだ、エチェニケはこうも言った。
「汚れた悲しみなんて自覚せん奴はな」
「性根が腐りますね」
「ほんまに性格悪い奴はな」
そう言うしかない輩はというのだ。
「悪いことをしてそれを逆にな」
「楽しみに感じますね」
「そうしてどんどんな」
「悪くなりますね」
「そや」
まさにというのだ。
「そうなるわ」
「そうなっては終わりですね」
「ああ、そうならん様にせんとな」
「あきませんね」
「誰でもな、ほな南極でもな」
「そうしたことはですね」
「気を付けてくわ」
アルゲダスに約束した。
「ほんまな」
「そうしてですね」
「調査してくるわ」
こう言ってエチェニケは仲間達と共に南極に旅立った、そして帰って来た時にアルゲダスからアレンカールの仲間になったと聞いてそれでよしと笑ったのだった。
第三百八十話 完
2024・12・1
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