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夢幻水滸伝

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第三百七十九話 アンデスの地でその十二

「議会に官僚システムに裁判所や」
「立法、行政、司法ですね」
「その三つを整えてな」
「そうしてこそですね」
「国は治まる、ペルーも他の国もな」
「そこは同じですね」
「大抵の星のモンの勢力はその三つが備わってるわ」
 こうも言うのだった。
「そやからな」
「僕達も整えてきましたし」
「これからもやが。ほんまそうした政治家を出してな」
「国を乱させない為にも」
「教育は充実させていこな」
「小学校からですね」
「そうしよな」
 アルゲダスの顔を見て話した。
「これからは」
「それでは」
「それでな」 
「ことを進めていきましょう」
「そういうことでな」
 こうした話をした、実際に二人でペルーの教育も充実させていった、だがある日エチェニケは南極の話を聞いて眉を顰めさせた。
「南極に異変があったみたいやな」
「南極ですか」
「ああ、何かな」
 アルゲダスに夜に二人で飲んでいる時に話した。
「あったか見付かったか」
「そうなのですか」
「それでな」
 考える顔でさらに話した。
「わしちょっと調べに行こうと思ってるわ」
「南極にですか」
「そや、ただ一人やとな」
「あの、南極の環境はこの世界でも過酷やさかい」
 アルゲダスは真剣な顔でエチェニケに話した。
「お一人ではです」
「行くもんやないか」
「幾ら星の人でも」
 それでもというのだ。
「あちらはです」
「一人やとあかんな」
「はい」
 そうだというのだ。
「お一人で行かれるなら僕は止めます」
「行くなとやな」
「絶対に」
 強い声での返事だった。
「そうします」
「ほな調査隊で行くか」
「軍の中で清栄の人達を選んで」
「そうするな」
「また星の人もです」
 アルゲダスはさらに言った。
「エチェニケさんだけやなくて」
「他のモンもか」
「誘われて」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「行って調査すべきか」
「そう思います」
「こっちの世界の南極は起きた世界の南極より過酷な場所らしいしな」
「起きた世界でもです」
 アルゲダスは真剣な顔で話した。
「スコット隊のことを見れば」
「南極点を目指したイギリスの探検隊やな」
「到達はしました」
 ただし最初に到達したのはデンマークのアムンゼン隊であり彼等は先を越されてしまったのだ。歴史の悲劇の一つである。 
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