世界の礎
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第二話その十四
「道を整えるのだ」
「そうするのですね」
「それは軍が行うのだ」
「兵達がですね」
「そうだ、軍は陣地も築き」
そうもしてというのだ。
「道も整えるのだ」
「そうするのですね」
「そしてだ」
「進みやすい様にしますね」
「進軍がな、ではいいな」
「はい」
イシュは一言で頷いた。
「その様に」
「それではな、ではこれからもだ」
「軍を整える」
「強くしていく」
この言葉を強い声で言った、そして。
あらためてだ、彼はコムに話した。
「ではこれから法もだ」
「整えますか」
「また官吏の登用もだ」
これもというのだ。
「言おう」
「そちらもですか」
「貴族制はなくしているな」
「奴隷と共に」
「それよりもだ」
さらに言うのだった。
「いい登用の仕方がある」
「それを用いられますか」
「そしてだ」
コムを見て言った。
「広くなった領土をだ」
「どう治めるか」
「その為の知識もある」
「既に」
「それも言おう」
「それでは」
「やるべきことは多い」
今もというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「これからも知識を出す」
自分が持っているそれをというのだ。
「ではいいな」
「宜しくお願いします」
「ではこれより林檎を食しよう」
「その果物をですか」
「そうだ、林檎はただ美味いだけではない」
それだけでなくというのだ。
「身体にもいいのだ」
「そうなのですね」
「だからだ」
「食べることですね」
「食事も大事だ、栄養もだ」
「教えて頂けますか」
義青に問うた。
「これからも」
「そうさせてもらう、そのうえでだ」
「世界の礎をですね」
「築いていく」
義青は確かな声で答えた、そうしてだった。
彼は実際に知識を出していくのだった、チグリス=ユーフラテス川流域を掌握してもそれで充分でぇはないとわかっていたからこそ。
第二話 完
2024・11・1
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